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SAO─戦士達の物語
MR編
百五十三話  王墓の死霊
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瞳が、無機質に見つめていた。

────

「意外に、すんなり入れましたね……」
ピラミッドの丁度真ん中あたりに口を開けた入り口をくぐったところで、シリカが意外そうに言った。
シリカがNPCから受け取ったダガーを携えて砂嵐に近づくと、まるで霧が晴れるかのように、砂嵐は跡形もなく消えさり、ピラミッド付近の飛行が行えるようになったのだ。そこからは特にエネミーが出現するでもなく、すぐに入り口を見つけて侵入することが出来た。入り口をくぐる前にひと悶着あるかと予想していたメンバーには、少々拍子抜けだ。

「あぁ、でも中は流石に涼しいな」
「だねー、快適快適ぃ」
アイリがくるくるとスピンしつつ歩いていくのを見て、石材で囲まれ、松明のみで照らされた薄暗い遺跡の中は外の灼熱が嘘のように、うっすら肌寒いほどのひんやりとした空気が漂っている。長く砂嵐に晒されてはいても、入り口から少し奥に行けば砂は積もっておらず、いっそここが砂漠である事を忘れてしまいそうなほどである。

「いやぁ、案外涼しいのは他の理由があるかも知んねぇぞ、熱い中出てくるより、涼しい方が出やすいんだろ“死霊”とやらも」
「もう、リョウ!露骨に話題に出さないでよ!」
「おめーが気にしなきゃいいんだろ〜」
「もう……ダメだよ、リョウ、ホントに怖い人は怖いんだから」
ケラケラと笑いながら、アスナをからかうリョウに、サチが困ったようにため息をつく。それを聞いて、ユウキが少し意外そうに問い返した。

「サチは、お化け怖くないの?」
「え?ううん、怖いよ?でも、こう、私は幽霊そのものより、「わーっ!」ってくる奴だと、すごく怖い、かな」
「わーっ」
「わーっ……」
「……なんか可愛いね?わーっ」
「うん、サチが言うと可愛い」
「え、えぇ……!?」
女性陣三人から全く無関係な方向のほめ言葉を言われて、サチの顔がみるみると紅くなって行く。その様子を見て、メンバーにほんわかとした空気が流れた。

「そう言うユウキはどうなんだ。アストラルは怖くねぇみたいだが……」
「うん!ボクお化けは好きだよ!ゾンビとか、虫とかも結構好き!」
「怖いものなしかぁ、そんな気はしてたけどなぁ」
「そう言うとこ、男勝りなわけか……偶に野郎ばっかでクエとか行くが、今度お前さんも一緒行くか」
「え、ホント!?」
「駄目―!」
とてとてとリョウとキリトに駆け寄ろうとしたユウキを、アスナが後ろから抱きかかえて制止する。

「わっ!?」
「だまされたら駄目だよユウキ、絶対変な遊びに連れていかれるから!」
「だますとは人聞きわりぃなぁ」
「そうだぞアスナ、俺達はただ、ちょっと一緒に中立域の新たなグルメを探しに行こうとしてただけで」
肩をすくめたキリトに、リョウが吹き出す。

「こないだ
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