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土星の輪の中。
その氷と岩塊で作られたデブリ帯に大量のスクラップと一機のMSが漂っていた。
メインカラーは銀。
背部には翼のようにシールドが取り付けられており、背部中央と腰部にはノーズコーン状の機械がついている。
さらに両肩には上半身を被うほどのユニットが備え付けられている。
その周囲には火器を装着したシールドが円運動をしている。
その姿はユニコーンガンダム三号機を銀に塗り替え、肩に二基の00QGNドライヴ兼ビットホルダーを、背部に二基の通常GNドライヴを、腰にSEED系レールガンを据え付けたミキシングビルドだった。
そしてそれを操るのは、高校生程の男子だ。
無造作に100人ほど集めれば美形な方ではあるだろう。
コックピットの内壁にウィンドウが開く。
映っていたのはメガネをかけた男だった。
その背景は、どこか宇宙戦艦のブリッジのようだった。
『ヴォジャノーイ君。今どこだい?』
「土星圏だ。ログはそっちにあるだろう?」
『うん。まぁ、そうなんだけどね』
「で、クリスハイト。今度は≪どこ≫だ?」
『地球圏。ヨーロッパだ。詳しい場所は送る』
新たに開いた二枚のウィンドウの内一枚には地図があり、もう一枚には戦闘の様子が映っていた。
「ほー…オーガじゃねぇか…。
クリスハイト。オーガなら手出しは無用だぞ」
『君の仕事だろ?≪GBN運営部不正ツール外部追跡隊長シビルジャッジメンターゼロワン≫?』
「へーへー…給料分の仕事はしますかね…」
青年がコンソールを数度タップする。
「全リミッター解除。TRANS-AMスタンバイ」
青年がそう呟くと、肩部のビットホルダーから片側六枚合わせて十二枚のソードビットと三枚のシールドが機体前方にサークルをつくった。
「TRANS-AM !!」
コンソールが赤く輝き、機体自体も高濃度圧縮粒子の影響で赤くなる。
ビットとシールドで作られた陣の内部に、光の幕が顕れる。
「行くぞカンヘル・クレアード!」
青年がレバーを前に倒し、ゲートをくぐる。
土星圏に静寂が訪れた。
side in
地球圏 衛星軌道上。
ゲートを抜け、カンヘルのトランザムを途中終了させる。
「こちらヴォジャノーイ。衛星軌道上に到達。
これより監視にあたる」
『りょーかいだよ』
カンヘル・クレアード、メインカメラ最大望遠。
2000キロの遥か下。
そこではドムタイプ二機とジンクス系一機、00系一機が戦闘をしている。
その内ドムタイプの一機は紫のオーラを纏っていた。
「ブレイクデカールを一機確認。
静観する」
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