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第4世代戦術機

かつて、第二世代戦術機であるF-15のライセンス生とそれによる技術獲得を反映し世界初の第三世代機を完成させた日本帝国だが、その定義は実質的にはアメリカによる第三世代戦術機選定を踏襲したモノに過ぎず、また運用面や設計思想においてもF-15の継承でしかなく完全なオリジナル戦術機の開発、という面では二の足を踏む状況が続いていた。

様々な最先端技術を持つ技術立国である日本だったが、仕様選定という点においては未成熟なままであったが故だ。
仕様選定、つまりどのような兵器をデザインするのかという方向性を定められず零式艦上戦闘機、通称ゼロ戦の後継機の開発が遅々として進まず大戦に敗北した一因となった結果を見ればこれがどれ程致命的な欠点であるかは明瞭だろう。

この旧態依然とした欠点に一石を投じたのが帝国斯衛軍と帝国陸軍共同による次世代戦術機の薄明計画であった。
薄明計画では当初より次世代戦術機の技術面を開発、研究していたがそれだけでは単に第三世代機をアップデートしただけと違いがなくなってしまう。

そこで、計画主任であった斑鳩忠亮大尉は自身が計画の新インターフェースのための手術を受け、その特性を学びながら第4世代戦術機のコンセプト選定を考察していった。


その結果、第4世代機戦術機の特徴となるコンセプトには従来機とは大きく違う機能が盛り込まれる事となった。

各種次世代技術による強化、そして新インターフェース。人体と機械を物理的に接続し操作性と認知能力を強化することによって得られる極めて高い近接格闘能力。


それに加えて―――――無人機の統合運用能力の付与、である。



斑鳩大尉はF-22の配備とF-35Aの開発によって各国でステルス戦闘機の配備が始まると予想、そしてBETAの特性も踏まえたうえで両者に対処できる兵器が必要と考えたのだ。

BETAは自己学習の結果か、有人兵器を優先的に狙う傾向があることが報告されている。
そのため斑鳩大尉は新インターフェースによる高い近接格闘力に裏付けされた高い生存性を活用して新型機を囮とし、その隙に無人機がBETAを撃破する戦術を考案したのだった。

無人機ならば戦術機に存在する人体という枷を無視した超加速を付与することが可能であり、速やかに展開。BETA群の側面ないし背面からの強襲が可能となる。


更に対人戦闘においては無人機そのものを迎撃手段を持つ高性能な移動レーダー・センサーとして活用可能であり、敵戦術機のステルスの無効化だけに留まらず運用によってはレーダーの死角を無くすことによる対応力の強化などの副次効果を数多く齎すのだ。


即ち、本格的なブレインマンマシーンインターフェースの採用、そしてそれを最大限活かし無二の近接戦闘力を発揮することに
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