暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
ペルソナ3
2017話
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「殺されるのが、救いなんですか?」
「ああ。例えば金を目当てにして誰かを殺したとか、そういう奴であれば生きていたいと、生にしがみついているだろうから、殺されるのが復讐となるのは間違いない」

 そう言うと、天田は納得したように頷く。
 分かりやすいだけに、天田にもすんなりと理解出来たのだろう。

「だが……例えば、何らかの理由で自分の意図していない事で人を殺してしまった場合。そうだな、例えば工事中の事故とかそういう感じだな。それで人を殺してしまった場合は、かなり後悔してるだろう」
「けどっ!」

 俺の言葉に我慢が出来なかったのか、天田が叫ぼうとする。
 俺はそんな天田に手を伸ばし、分かっているといったように頷く。

「そうだな。犯人が後悔しているからといって、それで被害者が許せるかどうかは別だ。ただ……本当にその手の人物に復讐する、恨みを晴らすのなら、それこそ殺したりせずに生かしたままにしておいた方が、向こうは深く後悔する事になるだろうな。ましてや、そういう性格の持ち主が相手なら、頻繁にその人物に会いに行って直接顔を見せれば、向こうはより深い罪悪感に襲われる筈だ」

 よく、復讐は復讐を呼ぶとかいう話を聞くけど、それが嫌なら復讐してくるような相手を根こそぎ殺してしまえばいい。
 そこまでするつもりがないのであれば、相手の罪悪感を刺激するというのは、決して悪い選択肢ではない……と、俺はそう想う。
 もっとも、この場合は荒垣を生かす為に天田にそう言っているというのもあるので、完全に善意からのアドバイスという訳でもないのだが。
 ともあれ……それから暫くの間、俺は天田に復讐について話をするのだった。
 ……これで、天田が復讐を止めるという事はないだろうが、せめて復讐の質を変えてくれるといいのだが。
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