金城零二vs幻想殺し・2
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た。なんと、喉笛に迫る刀を右手で鷲掴みにしやがった。刀を伝って流れてくる、赤い雫。そりゃそうだ、日本刀鷲掴みにしたら薄皮の1枚位スパッと切れる。
「なっ……!?」
俺が驚いている間に、上条の左拳が刀の腹に迫る。その拳が当たった瞬間、鈍い音を立てて刀が折れる。
「あ゛っ!テメ、貴重な刀を……!」
「アンタ腕っぷしに相当自信があるみてぇだけどなぁ、それで自信過剰になって天狗になってりゃ世話ねぇんだよ、オッサン!」
「あ゛ぁ!?」
「まだ今まで通りに提督業続けようってんなら……まずはその、ふざけた幻想をぶち壊す!」
そう上条に喚かれた瞬間、脳味噌の奥の方で何かが『ブチッ』と切れるような音がした……気がする。見れば、上条は右腕をフルスイングで俺の顔面に向けて振るっている。
「テメェ……調子に乗ってほざいてんのはどっちだ!このクソガキゃあ!」
俺も被せ気味に左拳を上条の顔面に放つ。クロスカウンター気味になるかと思いきや、予想以上に上条の拳が速く、相打ちのように2人の拳が互いの顔面にめり込む。
「ぐおぉ……!」
「ぐっがぁ……!」
均衡するかに見えたその相打ちの状態は、すぐに崩れた。体格に勝る俺が押し勝ち始めたのだ。
「沈んどけこのクソガキがあぁ!」
俺は拳を下に打ち抜き、上条の頭もそれに逆らわずに畳に衝突。そのままピクリとも動かなくなった。
「提督!」
上条の連れてきた艦娘達が駆け寄ろうとするが、
「触るな!……頭を打ってる。明石、医務室に運んで治療してやれ」
と一喝すると、大人しくなって医務室に運ぶ明石を手伝い始めた。
「お疲れ様ネー、darling」
声のした方を向くと、苦笑いを浮かべた金剛が濡れタオルをこちらに差し出していた。
「ありがとよ……おー痛て」
冷えたタオルを上条に殴られた頬に当てると、熱を持っていた所がじんわりと冷えてきて気持ちいい。
「最後は意地の張り合いだったネ〜?」
「うるせぇ、ああいうガキを見てるとムキになっちまうんだよ」
「昔の自分を見てるみたいだから?」
ニマニマ笑うその顔と視線を合わせたくなくて、そっぽを向いて立ち上がろうとする。
「うるせぇよ……あ〜頭がクラクラするわ」
が、予想外に上条の一撃が効いていたのか、よろけてしまう。
「しょうがない人デスね……ほら、こっち来るデース」
グイッと引き寄せられ、俺は強制的に金剛に膝枕される事になったらしい。まぁ、これはこれで気持ちいいし文句は無いんだが。
『天狗になってる、か……』
「……そうかもな」
「ン?何か言いましたカ?」
「……何でもねぇよ」
そう言って誤
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