第四十四話 二人でお外に出てその十六
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「お昼何処で食べます?」
「あっ、そのことね」
言われて気付きました、というか阿波野君と一緒にいると何故かいつもこの子ばかりになって他のことを忘れてしまいます。
「じゃあ公園に行って」
「そこで、ですね」
「あそこの公園ベンチも多いし」
私の知識の中で思いました。
「だからそこに座って」
「食べるんですね」
「そうしましょう」
こう阿波野君に言いました。
「今からね」
「わかりました、じゃあそこで」
「御飯にしましょう」
私は阿波野君を商店街から近くの公園に案内しました、緑の多いその奇麗な場所で二人でベンチに並んで座ってです。
お弁当を出しましたが阿波野君はそのお弁当を見て言いました。
「美味しそうですね」
「お母さんお料理得意だから」
お母さんが言うには毎日作っているからとのことです。
「実際に美味しいわよ」
「そうなんですね」
「しかも量も多いしね」
私には多い位です。
「これ食べたら阿波野君でもお腹一杯よ」
「僕でもですか」
「だって阿波野君男の子だし」
それにです。
「しかも背も高いし」
「それでよく食べるっていうんですね」
「そうでしょ?おぢばがえりでもカレーかなり食べたって言ってたじゃない」
「そういえば」
「三杯食べたのよね」
「はい、食べました」
「だからよく食べるって言ったけれど」
「確かによく食べますね」
本人も認めてきました。
「僕も」
「育ち盛りだしね」
「はい、ですからこれだけ量が多いと」
にこにことして私に答えます。
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