暁 〜小説投稿サイト〜
夢幻水滸伝
第四十七話 越前にてその九
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「その方が効率的に動けるってことでな」
「そうです、近代以降の軍隊はそれまでより合理的で機能的です」
 その太宰も話した。
「ですから取り入れました」
「軍勢の在り方にか」
「そうしています、これからさらにです」
「入れてくんやな」
「装備は足軽や騎馬隊のままであっても」
 具足や刀や槍、弓矢に馬等は使っていてもというのだ。
「それでも編成や組織の構造はです」
「あえて近代を入れてるんやな」
「階級ではなく人から選びます」
 軍勢を構成する将兵達をというのだ。
「ですから」
「それでか」
「はい、その方が質がいい軍勢が出来ますので」
「こうしたことは世襲よりもその方がずっとええな」
「そうです、神事とはまた違うものです」
 軍のことはとだ、太宰は中里にはっきりと話した。
「例えば日本の皇室や神社仏閣はその方がいいでしょうが」
「伝えていくものがあるさかいな」
「また血筋がどうしても必要な世界は他にもありますし」
「その貴族にしてもやな」
「そうした世界は別ですが」
「軍とか他の役所関係、あと商売とかもやな」
「代々という場合もありますが第一は」
 その仕事への一番必要なもの、それは何かというと。
「能力ですから」
「その能力を見極めて用いて使う」
「それがいいので」
「近代の考えを取り入れてやな」
「軍のことも他の分野のこともです」
「政をしてるんやな」
「そうです、そしてそうした軍はです」
 近代の考えを取り入れると、というのだ。
「どうしても独特のものになりますので」
「それでやな」
「はい、憲兵も必要です」
「軍っていう世界の中の警察か」
「そうです」
 それが憲兵だとだ、太宰は中里に話した。
「そうなりますので」
「憲兵は憲兵でか」
「将来は専門に指揮出来る方に勤めてもらうことを考えています」
「そうなるか」
「アメリカにこれはという星の方がいます」
「じゃあアメリカと戦って勝ったらか」
「その方に勤めてもらいます」
 アメリカも併呑したならばというのだ。
「そう考えています」
「成程な、あとな前から思ってたんやけど」
 中里は腕を組みそのうえでさらに言った。
「何かこの世界兵の数少ないな」
「そのことか」
「そやろ、関西で今二十万や」
 その具体的な数をだ、中里は出して芥川に話した。
「東海と北陸が合わせて六万でやろ」
「東国が十四万ってとこやな」
「合わせて四十万や」 
 それが日本にいる軍勢の数だというのだ。
「他の国もそんなに多くないやろ」
「中国で五百万、南洋で二百四十万、中南米で二百八十万、アメリカで百五十万ってとこや」
「太平洋はそんな感じか」
「そや、大体一億で三十万か四十万やな」
 人口の規模から見た割合も
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ