第四十七話 越前にてその八
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「そやろ」
「ああ、支持されんかったらな」
「幾ら能力があってもや」
「何も出来んな」
「大抵は有能やと支持が集まる」
「ええことをしたらやな」
「政の世界でもな、そやからな」
この論理からというのだ。
「僕等もや」
「しっかりと政をして戦の時もな」
「土地と民と産業は荒さんことや」
手に入れるべきこの三つはというのだ。
「むしろ積極的にや」
「その支持を得るべきやな」
「そういうこっちゃ、そやから軍規軍律はな」
「これまで通りやな」
「徹底させてく」
こう言った、それも強い声で。
「冗談抜きで糸一本でも取ったり女の子の着物をめくろうとしただけでもな」
「即座にやな」
「厳罰や」
そうするというのだ。
「そうしてくで」
「わかったわ、そしてその取り締まりはな」
「総大将である僕等とな」
ここで喜久子を見て言った。
「喜久子ちゃんにもやってもらう」
「私もですか」
「新たに憲兵ってもうけたしな」
「軍の中の警察ですね」
「喜久子ちゃんはそこも頼むわ」
「警察と共にですね」
「そうしてもらうわ」
「それでは」
喜久子は芥川に確かな声で答えた。
「お任せ下さい」
「厳しくしてええからな、思いきり」
「では」
「まあ喜久子ちゃんは領土が広くなったら警察に専念してもらって憲兵の責任者はまた別の星の奴にやってもらう」
「憲兵は憲兵でか」
「そや、警察と憲兵はまた別やからな」
それぞれ別の組織になるとだ、芥川は中里に話した。
「軍は軍や」
「民間とはちゃうのは事実やな」
「そや、そやからな」
「警察と憲兵はやな」
「また別にせなあかん」
本来はというのだ。
「そうしてな」
「そのうえでか」
「そや、治めていくべきや」
民間も軍もというのだ。
「軍ってのはやっぱり独特の世界やろ」
「そやな、それ自体が一つの世界やわ」
「そうした世界やからや」
「軍の中の警察、憲兵が必要やねんな」
「しかもうちの軍勢は結構近代が入ってる」
この時代の考えがというのだ。
「江戸時代までやと軍勢イコール武士やったやろ」
「そやったな」
「支配階級であると共にな」
「けどこの世界の日本階級ないしな」
「階級は欧州やインドにはあるけど他の地域にははっきりとはないわ」
芥川はこのことも話した。
「法や宗教の教えで明文化されてるのはな」
「貴族とかカーストとかか」
「そういうのはないさかいな」
それでというのだ。
「太平洋とかサハラ砂漠から南のアフリカはな」
「階級のない世界でやな」
「軍勢もや、大抵の国では募集したり志願した奴を入れてる」
「うちもそやしな」
「しかも近代、日本やと明治以降の軍隊の考えも入ってる」
芥川はここで太宰を
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