第三幕その十一
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「是非楽しもうね」
「そうだね、けれど謙信さんって粋な飲み方していたんだね」
「梅干しで日本酒を飲むことだね」
「うん、それも縁側に座ってお月様を見たりしてだよね」
「そうして飲んでいたんだ」
「風流な人だったんだね」
「詩人でもあったしね、短歌も残っているよ」
謙信さんのその一面もお話した先生でした。
「実際に粋で風流なところもあったんだ」
「そうだったんだ」
「そう、それで僕達もね」
「お風呂から出たらね」
その時はというのです。
「本格的に飲むんだね」
「梅干しでね、勿論着替えてね」
「浴衣にだね」
「そうだよ、浴衣に着替えてね」
まさにそうしてというのです。
「じっくりと飲もうね」
「それじゃあね」
「まずはお風呂だよ」
それに入ろうというのです、そしてです。
実際にお風呂に入る先生達でした、そこで神戸から和歌山まで来た車の旅の疲れを癒してそのうえでなのでした。
先生とトミー、王子は動物の皆に囲まれてお部屋から見えるお月様とその光に照らされている夜の景色を見つつ梅干しを肴に本格的に飲みはじめました。
そのお酒をおちょこで飲みつつです、先生はお月様を見て言いました。
「冬のお月様もいいよね」
「冷たい奇麗さですね」
トミーもそのお月様を見て言います。
「それがありますね」
「そうだよね」
「今このホテルお客さんはあまりいないですが」
「夏がシーズンだからね」
海があるからです。
「だからね」
「どうしても冬は少ないですが」
「冬に来るのも悪くないね」
「そうですね、本当に」
「ウツボも美味しかったしね」
王子は笑顔で先程食べたこのお魚のお話をしました。
「冬の和歌山もね」
「悪くないね」
「そうだよね、お酒もね」
王子もお酒をおちょこで飲んでいます、そのうえでのお話です。
「美味しいしね」
「うん、いけるね」
「梅干しとも合うしね」
「あとこれもあるしね」
蜜柑もあります、それも見る先生でした。
「意外と合うんだよね」
「蜜柑もなんだ」
「そう、日本酒にはね」
「それは意外だね」
「蜜柑の甘酸っぱさと日本酒の味がね」
「合うんだ」
「それで出してもらったんだ」
ホテルの人達にというのです。
「だからね」
「蜜柑も食べて」
「そうして楽しんでいこうね」
お酒をというのです。
「そうしようね」
「うん、じゃあね」
王子は先生に笑顔で応えて実際にでした。
蜜柑を食べてから日本酒を飲むと実際にでした。
「いいね」
「そうだね」
「こちらもね」
「日本酒は甘いものは合わないけれど」
だから日本では甘いものが好きな人はお酒は苦手という考えがあるのです。
「それでもね」
「蜜柑は違うんだね」
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