第三幕その八
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「ドクウツボという種類はね」
「成程ね」
「そうしたウツボがいてなんだ」
「ウツボには毒がある」
「そうなのね」
「そうだよ、ウツボに毒があるのは事実だよ」
先生は皆にはっきりとお話しました。
「そうなんだよ、ただ種類によるから」
「だからなんだ」
「ウツボには毒があるて言えるんだ」
「種類によるんだ」
「そうなのね」
「そうだよ、ウツボはね」
それこそというのです。
「そうした意味での毒があるんだ、ただ僕達が食べる種類のウツボはね」
「毒がないんだ」
「そうしたウツボなの」
「だから食べていいの」
「普通に食べても」
「干物や唐揚げにして食べるからね」
調理方法のこともお話する先生でした。
「ウツボも楽しみにしていようね」
「そうだね、じゃあね」
「ウツボを食べるのも楽しみにしていよう」
「他の海の幸もあるし」
「海老に蛸もあるだろうし」
「栄螺あるかな」
この貝のこともお話に出ました。
「海ならではだからね」
「あと他のお魚のお刺身」
「これは外せないよね」
「どうしてもね」
このことは絶対にというのです、そしてです。
皆は和歌山の海を進んでいきます、もうすっかり夕方で海は赤くなってきていて次第に夜の闇の中に消えていってしまいそうです。
その海を見ながらです、王子はお話しました。
「もうすぐホテルに着くからね」
「それでだよね」
「そう、着いたらね」
早速というのです。
「お料理を食べようね」
「そうだね、そのウツボも出るかな」
「出たら嬉しいね」
笑顔で応える王子でした。
「そしてその時はね」
「皆でウツボを食べようね」
「そしてそのうえで」
「ウツボの味も楽しもうね」
「いや、しかしウツボなんかね」
こうも言った王子でした。
「よく食べる気になったよね」
「日本人はね」
「あんなに獰猛な魚をね」
「日本人は海の幸は何でも食べるけれどね」
「河豚やオコゼだってね」
「それでもだね」
「鮫といいウツボといいね」
こうした狂暴な魚達もというのです。
「よく食べようと思ったよ、しかもだよね」
「食べたらね」
「鮫美味しいしね」
「エイだってね」
エイは鮫の仲間です、実はノコギリザメも厳密に言うとエイの仲間なのです。
「美味しいしね」
「アカエイは毒針があるけれど」
「そのアカエイだって美味しく食べるしね」
「煮凝りにしたりしてね」
「あの煮凝りがまた美味しいんだよね」
「そうなんだよね」
本当にというのです。
「鮫にしてもね」
「蒲鉾にもするし」
「あれも美味しいんだよね」
「そしてウツボもなんですね」
トミーも言ってきました。
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