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おぢばにおかえり
70部分:第十一話 おてふりその三

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第十一話 おてふりその三

「それって私も」
「きわどい場面あるから」
「よかった。じゃあ見られてないのね」
「とりあえずはね」
 それを聞いてまずはほっとしました。
「けれど気をつけなさいよ。東寮の娘って」
「何かあるの?」
「かなり無防備になってるわよ」
 かなりきつい言葉でした。その東寮にいる人間にとっては。
「そう・・・・・・かしら」
「そうよ。見なさいよ」
 ここでこっち側にいる女の子達を見回すように言ってきました。
「無防備な格好の娘って」
「そうね。確かに」
 寮にいる娘ばかりです。そういえば向こう側の男の子達も北寮にいる子はどちらかというと無防備なように見えます。というか態度が砕けています。
「寮にいる娘が多いわね」
「何でかしら」
 彼女はそれを言ってから首を傾げさせました。
「これって」
「さあ。それにしても私も気をつけないと」
 自分でそれを痛感しました。危ないなんてものじゃありませんから。
「見られるわよね」
「そうよ。教室の中で座っているときもね」
「気をつけろってこと?」
「スカートなのよ」
 それを言われました。
「ちゃんと纏めないとそれこそね」
「危ないのね」
「ええ。見られたくないわよね」
「見せたくて見せるものじゃないわよ」
 冗談じゃありません。何で下着にしろ足にしろ見せるんでしょう。小学校の頃スカートめくりされて相手を追い掛け回したことはありますけれど。
「当たり前でしょ、そんなの」
「そういうこと。わかっているのならいいわ」
「ええ」
「じゃあ。気をつけてね」
「わかったわ。それにしても」
 ここでふと疑問が。
「何で寮生の子って無防備になるのかしら」
「よし、皆集まってるな」
 それについて考えだしたら先生が教室に入って来ました。
「それじゃあはじめようか」
「はい」
「御願いします」
 こうして授業がはじまりました。まずは親神様教祖祖霊様に拝礼してから授業に入ります。それからておどりに入りました。授業の間もやっぱり休憩の時にておどりの説明をまだ慣れていない娘にします。
「扇はね。こうして」
 扇を広げて説明します。
「こう持つといいのよ」
「そう持つのね」
「そうなの。そう持って」
 その娘に言います。
「こう使うの。いいかしら」
「難しいのね。持ち方も」
「これも慣れるのよ」
「やっぱりそれなの」
「そうなのよね。ておどりって」
 何か言うことは同じでした。それしかありませんでした。

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