第八章 魔法女子ほのか (Bパート)
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アイキャッチ パターンB
ほのかがお風呂の浴槽、気持ちよさそうにしている。
猫型妖精のニャーケトルが、何故かノラ猫に追われて浴室に乱入。
びっくりしたほのか、顔を真っ赤にしながら怒ってタライを投げるが、壁に跳ね返って自分の頭を直撃。
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島田悟が、うつろな表情でふらふらと歩いている。
少し離れたところに、気を失って倒れている早川香織。
香織の傍らには黒装束の男、副将軍コスゾーノ。冷酷そうな笑みを浮かべて、彼女を見下ろしている。
「目が覚めた時には、すべてを忘れ、平和な日常の中に戻る。我が帝に捧げるための純を育む、ただそのために。いつか訪れる、真の恐怖のために」
ちらり、とマーカイ獣の、その手に握られた青い光の球へと視線を向けると、
「手柄である。マーカイ獣ヴェルフよ。だがまだまだ、計画の序章に過ぎない。まずはこのようにして、人々の純粋な気持ちを食い尽くしていくのだ」
副将軍コスゾーノは、マーカイ獣ヴェルフの肩をぽんと叩いた。
「さすれば人々は笑顔をなくし、奪ったパワーは極悪帝ヤマーダ様の美味なる供物となる」
くくく、こらえ切れずといった笑い声を漏らした。
「ひとだび力の均衡が崩れ闇寄りに傾けば、まだ覚醒しきっていない上に力場という後ろ盾を失った魔法女子など、もう造作ない。一撃のもとに屠ってやろう」
「に、に、ニ撃くらいはっ、耐えられますう!」
制服姿の女子高生、惚笛ほのかが、立っていた。
「わわ私っ、それなりにタフなんでっ!」
身体も言葉も、ガタガタ震えている。
「強がってるくせに、いってること無茶苦茶情けねえんだよ、てめえ!」
宙に浮かぶ、ローブのフードをすっぽりかぶった小太りトラ猫ニャーケトルが、ほのかの頭をぼかんと殴った。
「だ、だって、だって、なんか怖いんだもん! 強そうなんだもん! ニャーちゃん直接戦わないから分からないんですよお」
ほのかは涙目になって、コスゾーノと半人半狼のマーカイ獣を指差した。
「魔法女子、か」
コスゾーノはぼそり呟くと、口元に、ふっ、と薄い笑みを浮かべた。
「こんな小娘に、これまで何度も苦汁を飲ませられてきたのかと思うと。だが、それもすぐ過去のことになる。今日こそは貴様を倒し、この町の魔道スポットをすべて占拠する。それは、世界を闇に染め上げるための前進基地となるだろう」
「ほのか、あの野郎なんかかっこつけたことペラペラ喋ってるぞ。おめえも負けずに、ビシッとなんか決めたれ!」
「えーっ? ……わ、分かりました」
すーっと息を吸うと、きっ、と黒装束の副将軍を
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