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SAO−銀ノ月−
「つまり、閃光師匠」
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するともなれば姫だろうリズから、騎士団長に勝手に内定されただろうショウキに解雇通知が届いたため。

「さっそく試したいです。行きましょう、ショウキ」

「はいはい、武器しまってからな……リズは?」

「あー、ごめん。やっぱり向こうでちょっと用事あるから。アスナによろしく言っといて!」

 細剣をぶんぶんと振り回しながら店を出ていこうとする、どうやら随分と喜んでくれていそうなプレミアを止めながら、ショウキはリズに聞いてみたが。やはり事前に聞いていた通りに予定があるらしく、リズは少し寂しそうに笑いながらも、プレミアが手に持っていた細剣を鞘にしまって背中に背負わせて。

「プレミア、危ないことがあったら隠れなさい。いいわね?」

「はい。行ってきます」

「よろしい。行ってらっしゃーい……ショウキもね?」

 ついでのように声をかけられながら、ショウキもリズに小さく手を振って、やる気充分のプレミアに連れ添ってリズベット武具店から出ていって。いつも通りに商店街を抜けた先にある転移門へと向かう……途中で、ふとプレミアが立ち止まり、店主がログアウトしたであろうリズベット武具店を見据えた。

「どうした?」

「いえ。ショウキやリズはよく消えていますが、どこに行っているのですか?」

「それは……」

 立ち止まったのは一瞬で、プレミアは疑問を呈しながらもすぐに歩きだした。不幸にも転移門は順番待ちをしているらしく、プレイヤーたちの間に交じりながら……ショウキは正直、その質問に答えあぐねていた。現実世界のことを答えることは簡単だが、そんな質問をこの世界のNPCから聞いたのは、始めての経験だったからだ。

 知らないことがあれば無邪気に喜ぶ普段のプレミアの姿を見ていると、たまに忘れてしまう……彼女が得体の知れないNPCであるということを。

「……別の世界だよ」

「そうですか。では行きましょう、ショウキ。今は外に出るのが楽しみです」

 正体がよく分からなくてもプレミアはプレミアだろう――と、得体の知れないなどと思考してしまったことを脳内から追い出し、何を聞かれようが答えてやると意気込んだ……ものの。すぐに転移門の順番が回ってきたからか、これからのことの方が楽しみだったからなのか、質問もなく話は終わってしまう。

「転移! ズムフト!」

 ……質問が来なかったことに少し安心する自分が嫌になりながらも、ショウキは切り替えていこうと一息をついてから。アインクラッド第三層、主街区の名前を叫んで閃光に包まれれば、すぐさま目的の人物たちが顔を見せた。

「やっほー、ショウキくん」

「今日はよろしく、アスナ。ユイも」

「はい! プレミアも元気ですか?」

「ごきげんよう。元気いっぱいです」

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