「つまり、閃光師匠」
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店だって言ったのにプレミアを抱え込んじゃったり」
「リズが勝手にやってくれたから、こうしてプレミアに会えたんだな。おかげさまで毎日が楽しいし」
最初に会った時は人形のようだった彼女だったけれど、今は……なんというか、どう表現していいか分からないような、プレミアという一人の少女になった。ちょっと食い意地が張っていて、いきなり突拍子もないことを言い出す、けれでも優しい少女へと。そんなプレミアに会えたのは、リズがこの店で預かると決めてくれたおかげであり……少し口を濁しながら、ショウキも本心を伝えていく。
「前も言ったかもしれないけど……俺はリズが一緒にいてくれれば、それだけでいいんだ」
「もっと欲深くなってもバチは当たらないわよ? ……さてさて、そろそろ時間かしらね?」
せっかく本心を伝えたにもかかわらず、リズにはあまり好感触ではなかったようだ。クスクスと笑って、名残惜しげにショウキから離れていきながら、リズはある武器と防具一式を用意していって。ギリギリまで試行錯誤する予定だったせいでもあるが、確かに予定の時間ギリギリであり、閉めきりだったリズベット武具店の扉が時間通りに開かれた。
「ごきげんよう」
「お帰り、プレミア」
「約束のもの、出来てるわよー!」
ひょっこりと店から顔を出したのは、すっかり日常と化した少女の姿。礼儀正しくペコリと頭を下げる彼女が店内に入るや否や、リズはノリノリでプレミアの前に躍り出た。その手に持っているのは、かの竜人から貰った鉱石で作った細剣と鎧――リズベット武具店の新製品、その試作品一号だった。
「これは……」
「フィールドに出るんだから、一応はこれくらいしないとね。ほら、着てみた着てみた!」
とはいえ鎧と言ってもしっかりとした金属の鎧ではなく、以前のリズが好んでつけていたような、急所のみを守る可動域を重視した軽装鎧。もちろん理由はプレミアの
体格では重装鎧が着れないからであり、肩や胸部に軽い素材の金属鎧を装着していく。
「よし! なかなか似合うけど、何か変なところはないかしら?」
「……かっこいいです。騎士みたいです」
「騎士……ねぇ」
微妙に聞いたことと違う答えが帰ってきたことには苦笑いしつつも、どうやらプレミアからは太鼓判をいただけたようだと、ショウキたちは二人でガッツポーズを見せあって。白銀の鎧と細剣を装備したプレミアの姿は、元来の人形めいた印象も合間って確かに騎士のようで、瞳を輝かせながら騎士らしいポーズを取ってみせた。
「はい。リズベット騎士団の騎士、プレミアの誕生です」
「だそうです、姫」
「騎士団長が頼りにならなさそうねぇ」
残念ながらリズベット騎士団は発足前に頓挫したようだ。騎士団の名を冠
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