暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
ペルソナ3
2016話
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めて幾月から押収した物を調べさせ、何か手掛かりになるようなものがないか探させよう」

 美鶴がそう言うと、ゆかりも納得したのかそれ以上は何も言わない。
 そんなやり取りを聞きながら幾月の奥の手が何なのかを考えるものの、そこで思いつくものはない。
 ……実は俺達が知らないペルソナ能力者を隠していた?
 その可能性はないでもないが、そもそも、そういう人物がいるのであれば、わざわざタカヤに合流したりといった真似はしないだろう。
 もしくは……タカヤを相手に主導権を握るためのブラフ?
 何となくそっちの可能性の方が高そうな気がするが、そこには何の証拠もない。
 そうなると、やっぱり幾月の行動を警戒しなければならないのは間違いない、か。
 厄介な。なまじ研究者として有能なだけに、こっちとしても何らかの手段を用意していると警戒する必要がある。
 これが、その辺の何の実績もないような相手であれば、それこそ特に警戒の類もしなくていいんだが。

「ともあれ、幾月が何かを隠している可能性があると知る事が出来ただけでも、情報はありがたい。……チドリ、情報提供感謝する」
「別に……貴方の為じゃないわ。順平の為だもの」

 美鶴の言葉に、チドリはそっと視線を逸らしながらも、そう告げる。
 今まではどう話しても無視しかしなかった事を考えると、何気にチドリとの仲は進展したんじゃないだろうか。
 ……恐らく、本当に恐らくだが、最初に順平と一緒に部屋にいさせた事が功を奏した結果だろう。
 そう考えると、チドリとの関係としては最善の結果となったのは間違いない。
 それがこれからどう影響するのか……特に、情報という一点では、最大の手掛かりになるのは間違いなかった。
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