ペルソナ3
2016話
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
な。何か分かる事はないか? 少しだけでもいいんだ。な? 頼む」
必死な様子でチドリに聞く順平。
まぁ、順平にしてみれば、ここで少しでもチドリから情報を聞き出して、これからの待遇を良くしたいと、そう思っているのだろう。
実際、ここでチドリがこちらに協力的かどうかというのは、この後の対応に大きく関係してくるのは間違いない。
「……そうね。滅びの塔がどうとか言ってたけど」
「滅びの塔?」
そう呟いたのは、順平……ではなく、美鶴だ。
滅びの塔という言葉が、何を意味しているのか。それを予想するのはそう難しい話ではない。
実際、俺ですらすぐにその答えに思い当たったのだから。
「タルタロスね」
「だろうな」
ゆかりと荒垣も俺と同様に答えに行き着いたのか、短くそう言葉を交わす。
そう、この辺りで塔と呼ぶのが相応しい建物と言えば、やはり真っ先にタルタロスが思い浮かぶだろう。
勿論ビルとかそういうのも、見ようによっては塔に見えない事はないのだが……
だが、それでもこの近辺で……それも影時間やペルソナに関わっている人物で滅びの塔と表現するのであれば、それは間違いなくタルタロスに関係しているのだろう。
寧ろ、タルタロス以外に、なにを滅びの塔と考えろと言いたくなるくらいだ。
「つまり、タカヤと幾月はタルタロスに何かする……って事か?」
その割には、タルタロスでは最近見ないけど。
当然のように、影時間になれば何度となく俺はタルタロスに挑戦している。
ゆかりやコロマルと一緒に挑戦する事もあれば、俺だけで挑戦する事もある。
……まぁ、俺だけで挑戦する時は、スライムを使って一気にシャドウを倒して宝箱を回収してくるんだが。
たまに刈り取る者を召喚して、好きに暴れさせたりもするが……普通のシャドウ程度で、刈り取る者……それも、俺の血を飲んで強化された刈り取る者に敵う筈もない。
結果として、まさに蹂躙劇と呼ぶに相応しい光景になることも珍しくはなかった。
「他には……何かないか?」
「あのおじさんが、最後の切り札があるって言ってた」
おじさん……それは、間違いなく幾月の事だろう。
だが、切り札? 桐条グループのバックアップを受けて研究していた幾月ならともかく、桐条グループに追われている今の幾月に、一体何が出来る?
実は幾月にペルソナ能力が覚醒していたとか?
いや、それはちょっと考えにくい。
幾ら何でも、桐条グループがそこまで間抜けだとは思いたくない。
「切り札? それは一体何だ?」
美鶴がチドリに尋ねるが、相変わらずチドリは美鶴の言葉には反応する様子を見せない。
徹底的なまでに無視をしているこの様子は、いっそ清々しいとすら思える。
傍から見て
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ