第3話 初めての仲間と異界の魔女
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いものだ」
『いや、随分と柔らかくなったと思う。それに、クルック―も言っていただろう?』
「そうだな。自分を変えるのは少々難しく、苦痛にも感じると思ったが、……案外楽しいものだった。役を演じる様で楽しい時間だった」
陽気な声が続く中、景色がどんどん変貌していく。
色が赤、緑、青、黄……と変わっていき、軈て黒と白が周囲を飲み込んでいく。混沌が出来上がったと言える。そこで漸く気付いたのか、男はため息を吐いた。
「……どうやら バレたみたいだな」
『判る。オレも感じた。……どこまでも追いかけてくる様だ』
「随分と好かれてるみたいだな」
『今はお前だろ? その好かれている、と言うのは』
「違いない」
空間の歪みが徐々に形を成していった。それは大きな大きな扉にも見える。その扉は光を放ち、軈ては左右に大きく開いた。
「ふははははははははは!」
開いたのと同時に、高笑いが聴こえてきた。
どうやら、誰かが来た様だ。
「流石だ。マスターオブネメシスよ。この余でさえ ここまでせねば追えぬとは。やはり余の片腕として申し分ない様だな!」
どどんっ、と効果音までだしつつ 降臨したのは漆黒を纏った女の姿。漆黒の魔女、と言うべき姿。無数の骸兵に担がれてここに降臨した。
普通ならば、その威圧感と姿に気圧される事間違いないだろうが、その姿を確認した男は ため息を1つ出すだけだった。
そう、もう名はバレているだろう。この漆黒の魔女が『マスターオブネメシス』と言った時点で。
そう この男は《マスク・ド・ゾロ》。
年号がRAになった世界において、英雄と呼ばれている男である。
因みに、最近露出が減ったのも事実だから、少々人気にも陰りが出ているとかないとか。。
「それにしても随分と物好きな覇王さんだ。オレばかりに気を掛ける暇などあるのか? その熱意を娘に向ければ良いだろうに」
「はっはっはっ。余の可愛い娘であれば、ここ2年は会っておらぬな。久しぶりに余の隠れ家に招待するのもまた一興か」
「酷い母親がいたもんだ……」
マスク・ド・ゾロ……(長いので次からはゾロと)は深いため息を出すと同時に立ち上がった。
「おっと。主と出会ったのも随分と久しぶりの事だ。追いかけに追いかけこう言葉を交わすのは5年ぶり、と言った所か。故に早々逃がしはせんぞ? スリープ!」
「甘い」
眠りの魔法を唱えるが、その魔力が届く前に間に捩れた空間が現れ、そのスリープの魔法を飲み込んだ。
「く、くくく…… はーーっはっはっはっは!」
魔法を防がれたというのに、魔女は陽気に笑っていた。
「そうだったなぁ。貴様はスリープの魔法は得意中の得意であった。否、
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