第3話 初めての仲間と異界の魔女
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〜 どこか別の空間 〜
この場所は何処なのか、どう表現したら良いのか判らないが あえて言うのであれば、空間が捩れ、歪み、あらゆる色が織り交ざって奇妙な空間を演出していた。
到底現実の空間とは思えない、いわば異世界、異空間と言う言葉が一番しっくりくるだろう。
「……さて、あの戦争から5年。そろそろあの男の中の血も暴れまわる頃、か」
その奇妙な空間にある、これまた奇妙な物質。自然の者とは思えない角ばった岩? のようなものに男は座っていた。
「どうする? そろそろ交代してもオレは良いと思うのだが。……主もそろそろ会いたいのではないのか? この世界の愛する者達に」
傍から見れば誰に話しかけているのか判らないだろう。ここには男一人しかいないのに、誰かに語り掛ける様に独り言を言っている様にしか見えないから。でも、それは違う。この場所には もう1人の男がいるのだ。
『…………今会えば、多分脚の2,3本は無くなる』
「ははっ、違いない、な。甘んじて受けるのが良いのではないか? それだけ心配してくれたんだろう」
『まぁ、……それはオレも思うよ。だが、しなければならない事があるし、 何より以前に決めた事、だろう? あの日に決めた事。それは お前達が楽しむ事これは終わらないんだから。始まった今は特に、お前が比較的傍にいなきゃダメだ』
「ん………」
見えない誰かとの会話を一時中断し、ふぅ……と息を吐いた。
「正直に言おう。ありがたい申し出だ。……が、オレも結構この世界には長く触れているんだぞ?」
『違う。お前は見てくれていただけだ。……厳密に言えば、全然違う。時折 力を貸してくれて、助けてくれたりした。それもその殆どが戦闘のみ。……本当の意味でこの世界に触れていない。漸く、触れたのはこの15年。……15年間は 決して長いとはオレは思ってない。……皆には悪いが、この物語の終わりを見る為には、我慢してもらうしかないんだ。終わった後に、皆には幾らでも我儘を訊くから。聞いてくれるか判らないが、ちゃんと説明も入れる』
「……ったく。本当に不器用な男だ。以前の我の様に この世界に降りる事も可能だろうに」
『そのためには、お前の力を使わなきゃいけない。初めてこっちの立場になったから判るが、オレの時。お前もかなり辛かった筈だ。……もう無理はさせたくない。……沢山、貰ったから』
話している最中に空間が ぐにゃりと僅かに歪みを見せたが、それには気付かず話は続く。
「我にそこまでの気を使うな。馬鹿者が」
『ふふっ、口調が戻っているぞ。昔に』
「っ……と。難し
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