第5章:幽世と魔導師
閑話13「緋き軌跡」
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……」
「ぁ……!」
その返答に、彼……いや、お兄ちゃんの友人であろう彼らは目を見開いた。
それを余所に、私は転移魔法を使う。
向かう先は、大きな力を感じる方角。
細かい距離は分からないので、転移してからは自分の足で向かうつもりだ。
「『……聞こえますか?』」
転移し、高速で現地に駆けていく間、念話を試みる。
通信先はアースラ。他にも艦が来ているようだけど、知っているのはここだけだからね……。
『……緋雪ちゃん……なの……?』
「『……はい』」
信じられないと言った感じで、応えた人……エイミィさんは聞いてきた。
それに誤魔化す事なく、私は返事する。
『本、当……に……?』
「『はい。偽物でも、ましてや妖でもありません』」
通信の映像として映っているエイミィさんは、完全に声を震わしている。
まぁ、当然だよね。死んだはずの人物が通信してきたんだから。
「『……説明してほしいのは分かりますが、その暇はありませんよね?簡単に状況説明をお願いします』」
『っ、う、うん。えっと、まずは妖についてとかは……』
「『知っています。今、幽世の大門が開いて、妖が溢れている事も。私が今向かっているのは強大な力を感じる方向ですが……大門の守護者が、いるんですよね?』」
どこから説明すればいいか戸惑うエイミィさんだが、代わりに私がどの辺りまで知っているか先に話す。
『……まさか、向かうつもりなの?』
「『当然です。私はそのために現世に戻ってきたのですから』」
そう。元より私は大門の守護者を倒すために派遣されたようなもの。
今打てる幽世側の最善の手が、私なんだ。
『そんな、大門の守護者は……!』
「『どんな相手なのかは知っています。容姿も、強さも。そして、生半可な力では太刀打ちできない事も』」
私は知っている。とこよさんの強さを。
だから、同じ力を持つ守護者がどれほど強いのか、わかっているつもりだ。
「『それに、今守護者と戦っているのはお兄ちゃんですよね?……だったら、尚更行きます。お兄ちゃんばっかりに、負担を掛けられないから……!』」
『っ……!……そこまで言うのなら、わかったよ。状況を説明するね。大門の守護者は、今言った通り優輝君と葵ちゃんが戦っている。優輝君は神降し……って言っても分からないかな?椿ちゃんとユニゾンしているみたいな状態なの』
「『神降しについては、聞いた事くらいは……』」
神降しに関する事は、幽世でとこよさんに聞いた事がある。
あれ?って事は、今椿さんはお兄ちゃんと一緒になってるの?
……いいなぁ……。……じゃなくて……。
「『他
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