第5章:幽世と魔導師
閑話13「緋き軌跡」
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いは容易く出来る。
「もう、一発!」
―――“戦技・金剛撃”
「ォ、オオオッ!!」
吹き飛ばして、今度は地面に叩きつけるために攻撃を放つ。
でも、今度は防御されたからダメージは大した事がなかった。
そのままアラハバキはグラウンドに着地する。
―――“Magie Waffe”
「はぁああああっ!!」
そこへ、私は魔力で作り出した大剣で斬りかかる。
でも、私が扱うのは魔力。霊力を纏うアラハバキには……。
ガキィイイイイン!!
「っ……!!」
効果が薄い。
まるで堅い岩に棒を叩きつけたかのような反動が返ってくる。
これでも、私のマギー・ヴァッフェによる武器生成の練度は、生前と比べて格段に上がっている。切れ味も上がっているはずなのだ。
それなのに、斬れない程に堅い。
「ォオオオオッ!!」
「くっ……!」
ギィイイン!!ギギィイン!!
拳と大剣。本来ならぶつかり合う事なんてありえない組み合わせ。
その組み合わせで、私とアラハバキは攻防を繰り広げていた。
霊力を存分に纏ったその拳を、私の大剣では斬れない。
「……なんて、思ったら、大間違いってね!!」
「ッ……!?」
当然ながら、私がその程度で終わるはずがない。
生前と違い、私は霊力も扱える。
魔力の大剣に、さらに纏わせるように霊力を使う事で、アラハバキの腕に傷をつける。
「あまり魔力と霊力も無駄に出来ないけど、出し惜しみもダメだよねぇ!!」
―――“霊魔相乗”
“ドンッ”と、腕を弾いた後に蹴りを入れて間合いを取る。
そして、大剣を消して、両手に霊力と魔力を纏わせ、混ぜ合わせる。
「ッ……!」
私から大きな力が溢れ出るのを感じる。
当然だ。本来なら、足りない力を無理矢理補うためにある裏技のようなもの。
それを、充分に力が足りている私が使ったのだから。
「(……やっぱり安定しないな)」
でも、それは安定させるのには相当な技術が必要。
霊力の扱いを充分に磨いた私でも、裏技と呼べる程の強化には持って行けない。
……やっぱり、お兄ちゃんは凄いな。こんな技をやってのけたんだから。
「さて、行くよ……!」
ドンッッ!!!
踏み込み、地面が陥没する勢いでアラハバキへ間合いを詰める。
霊力を拳に纏わせ、抵抗してくるけど……。
「遅い!!」
霊魔相乗がなくても私と互角近かったのだ。
強化された今なら、拳を押し切るどころか、躱すのも余裕!
「はぁっ!!」
元々体格差も大きい。懐に入り込めば、私は捉え
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