第5章:幽世と魔導師
閑話13「緋き軌跡」
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紙一重で躱し、その風圧を利用して体を一気に捻り、回転。
回し蹴りをその腕に叩き込む。
「(先に、門の座標を特定しなきゃ)」
同時に、サーチャーを飛ばす。
このサーチャーで、アラハバキの門の位置を特定。
そして、倒した後にサーチャーの座標を基点に転移すればすぐに封印できる。
「くっ……!」
体格の差で、まともに打ち合えば私が大きく押される。
連撃で防御の上から吹き飛ばされた私は、校舎まで吹き飛ぶ。
結界があったけど、今の私は素通り出来るらしい。
「っ!」
校舎の壁に着地。……いや、壁に着地って何かおかしいけど。
ちょっと罅を入れてしまったのは仕方ないだろう。
……でも、それより気になるのが……。
「ぇ……あ……」
「………」
生徒達の、私を見る目。
信じられないものを見るのは分かる。本当なら私は死んでいるのだから。
でも、恐ろしいものを見る目になっているのが、良く分からなかった。
「(いや、今はそれよりも)」
けど、そんな事を気にしている暇はない。
すぐさま魔法陣を足場に跳躍。アラハバキの目の前に躍り出る。
既にアラハバキの跳躍の影響で、街に被害が出ている。
住民は避難しているから大丈夫だけど、そこら中にクレーターが出来ちゃっている。
「(結果の強度は見た所、相当強力。それこそ、私の一撃でも割れない程。こんなの出来る人っていたっけ……?)」
校舎に張られている結界は、戦闘の余波だけではびくともしない程強固だった。
でも、あんな強固な結界を張れる存在に心当たりはない。
防御系に強いユーノ君やザフィーラさんでも、ここまでのは出来ないはず。
「(……司さん?いつの間にこんな……)」
魔力の質を見て、おそらく司さんが術者なのだと理解する。
でも、生前ではここまでの結界は張れなかった。
死んでいた三年間の間に、ここまでの力を身に着けたのだろう。
「(でも、これは好都合!)」
余波で壊れない結界なら、グラウンドを使わせてもらおう。
これ以上無闇に街を壊されたくないからね!
「(守る必要がないのも、ちょうどいい!)」
拳を相殺し、一旦距離を取る。
その瞬間、両手に魔法陣を展開、そこから砲撃魔法を放つ。
尤も、即座に放つ程度の威力じゃ、大したダメージは与えられない。
「吹き飛べ!!」
―――“戦技・金剛撃”
でも、目晦ましにはなる。
その隙に後ろに回り込み、拳から霊力の衝撃波を放ち、吹き飛ばす。
「……転移!」
そして転移魔法を発動。
お兄ちゃんみたいに即座に、とはいかないけど、アラハバキが吹き飛んだ先に回り込む事ぐら
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