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転生とらぶる
ペルソナ3
2015話
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と美鶴は何か言いたそうにしていたが、結局言葉には出来ない。
 美鶴はイクシールがそれだけの効果を持つ、非常に稀少な魔法薬であるというのを知っているし、ゆかりにいたっては、俺が別の世界からやって来た……つまり、イクシールの正確な価値を美鶴よりも知っているというのが大きい。
 ……まぁ、実際には俺が順平にそこまで非道な命令をする訳がないと思っているかもしれないが。
 実際には、もし本当に何かそういう必要性があれば、非道な命令を順平に命じる可能性は十分にあるのだが。
 数秒……いや、数十秒か? とにかく、それだけの時間、順平は考え込み……やがて、俺の方に視線を向け、覚悟を決めた目で口を開く。

「頼む。この借りは何としてでも、どうやってでも返す。だから、その魔法薬を譲ってくれ」
「分かった。……ゆっくり飲ませろ。くれぐれも、無理に飲ませようとして落としたり、こぼしたりといった真似はするなよ。順平に譲るのはこれ1つだけだからな」

 緊張した顔で順平が頷き、俺の渡したイクシールを手に取る。
 そうして、意識がないチドリの口にイクシールを飲ませ……幸い、という言い方はどうかと思うが、とにかくチドリはイクシールをこぼしたりといった真似をしないまま、無事に飲む事に成功する。
 そうしてイクシールを全て飲ませ……順平は緊張した表情のままでチドリを見守る。
 いや、チドリをそのような視線で見てるのは、順平だけではない。この病室の中にいる全員が、じっとチドリの様子を眺めていた。
 だが、数分が経過してもチドリが目を覚ます様子がないのを見て、順平は俺の方に視線を向け、不審を露わに口を開く。

「……おい、アクセル。これはどれくらいで効果が……」
「順平?」

 効果が出る? そう言おうとした順平の言葉を遮るように、目を覚ましたチドリの声が病室の中に響く。
 その声を聞いた瞬間、順平の動きは見事なまでに固まった。
 そして数秒……ギギギと、まるで壊れた人形のような歪な動きで順平はベッドの上に顔を向ける。
 そんな順平の視線に入ってきたのは、眠ったまま目を開いているチドリの姿。
 他にも何人かいるのに、順平しか目に入っていない辺り、この2人は何気に良好な関係を築いているのだろう。
 勿論、本人がそれを認めるかどうかは分からないが。

「チドリ……ちょっ、おい、チドリ! お前、大丈夫なのかよ!?」
「……大丈夫? 何が?」
「いや、だって、お前……」

 そう言ってる順平の目からは、涙が零れている。
 折角の再会……いや、目覚めか? ともあれ、苦難を乗り越えてきた2人の恋人――多分だが――の再会なんだから、ここは邪魔をしない方がいいだろう。
 そう思いながら美鶴に視線を向けると、そんな俺の視線に美鶴も気が付いたのか、小さく頷
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