ペルソナ3
2015話
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価な代物だ。それこそ、この世……いや、ここでは金で買うのすら難しい程にな」
危なく、この世界と言おうとしたのを咄嗟に誤魔化し、言葉を続ける。
「荒垣の場合は、今はお前達と行動を共にしているが、当時は俺達のパーティの中でも貴重な戦力だった。だからこそイクシールを使ったし……それでも、荒垣は俺に対して払いきれない大きな借りを作った。そうだな?」
「ふん」
荒垣に視線を向けると、不機嫌そうに鼻を鳴らす。
この荒垣の態度は、別に俺に借りを作ったというのを十分に理解しているからこその態度だ。
いわゆる、ツンデレって奴だな。……違うか?
「さて、順平。お前は友人だからという理由だけで、数億……場合によっては兆の単位に届く金があっても買えるかどうか分からないマジックアイテムを使えと、それも恐らくはタカヤの仲間だろう女にそれを使えと、そう言うのか?」
「それは……けど!」
「1兆円を今この場で用意して、俺に払え。……そう言われて、はいそうですかと頷けるか?」
ぐっ、と。
順平は黙り込む。
俺も自分で無茶を言ってるのは分かっている。
だが、実際に順平が俺に要求しているのは、それに似たような事だというのも、間違いないはない。
「……まぁ、それでも……どうしてもイクシールを使って欲しいと言うのなら、使ってもいい」
「本当かっ!?
一度断った後だっただけに、順平が俺を見る視線には強い希望の色がある。
そんな順平に対して頷きを返し……だが、と続けた。
「だが、イクシールをチドリに使った場合、順平とチドリの2人は俺に返しきれない程の借りを作る事になる。それを、どう返す?」
その言葉で、再び順平は言葉に詰まる。
数億、数兆円という金額に等しい借り。
それをどう返すのかと言われ、そう簡単に順平が答えられる筈もない。
結局のところ、順平は普通の高校生でしかないのだから、それも当然だろう。
これが数十万……数百万円くらいであれば、まだ現実味もあったのだろうが、億や兆ともなれば、それに現実味を覚えろという方が無理だ。
……もっとも、タルタロスがあって、俺のようにスライムを使えるのであれば、そのくらい稼ぐのも何とかなるだろうが。
実際、タルタロスの中で見つかるマジックアイテムの中には、金持ちであれば数千万は平気で出すような代物も多い。
問題なのは、順平の能力でそんなお宝の眠っている宝箱を入手出来るかどうか……といったところか。
「それは……いや、けど絶対に何とかして返す。だから、頼む! 荒垣先輩に使った魔法薬を俺に譲ってくれ!」
「別に、魔法薬に拘らなくても、今のこの病院と桐条グループの技術力があれば、どうにか出来るかもしれないぞ? そうすれば、無駄に俺に大きな……そ
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