第2話 旅立ちの朝はあちこちが痛い
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……。
「うーん……。お母さんって何歳なの?」
「……大事な質問の時間にそれですか? ふむ。ユーリの名を訊いて気になった、と言う顔ですね。………うーん、確か33、34、と言った所でしょうか。すみません。母も忘れてしまいました」
「そーなんだ……」
「はい。なので正確には答えられないので質問はこれで終わりにしますね」
強引に質問タイムを終わらせてしまった。
まだ、魔王の倒し方〜とか聞きたかったのだが、それが分かれば苦労しない、と返されそうなので、深く追求は止める事にした。
渡された荷物を背負ってとりあえず家の外へと向かうエール。
「では、頑張ってきてください」
母も見送りに来てくれた。
「気を付けて行ってらっしゃい」
簡単な挨拶……は良いんだけれど、本当に肝心な所を訊くのを忘れていた。
いや、母から言ってくれるのでは? と思って期待をしたところでもあるのだが、本当にこのまま送り出されそうなので、自分から聞く事にした。
「それで、どこに行けば良いの?」
「はい。よくぞ聞いてくれました。聞かれなかったらどうしようかと思っていたところです」
「なら、最初に教えてよ……」
「質問タイムに聞かなかったではないですか」
「あ、うん。そーだけどさ……」
やや不満顔のエールをさておき、クルック―はニコリと笑みを浮かべた後に続けた。
「まずは5つのオーブを探しなさい。魔王ランスは特殊な力で守られてます。オーブがなければ辿りつく事さえできないでしょう。そして、次に仲間です。先程も言いましたが、魔王と神の子達の協力を仰ぎ、共に魔王ランス打倒を目指すのです。エールは皆とは初対面なのですから、失礼のないように振る舞うのですよ?」
初めて会う人に早々無体はしない……と思った。人見知りと言う訳ではないが自分自身はあまり同年代の子と話をした事がないからやはり不安はあるんだ。
「そこで 順風満帆に行く為の最後のアイテムがこちら。この紹介状です。これは強力を仰ぐ為の書。世界有数の大国の指導者に渡してください。きっとオーブのありかや仲間になる兄弟たちを紹介してくれますよ。……と言う訳で貴方に伝えられるのはこの辺りまででしょう。ちゃんとわかりましたか? 説明をもう一度聞きますか?」
母は穏やかな表情でそう聞いてくる。
少し……時間を稼ごうかな、とエールは画策するが。
「エールは少々顔に出やすいですね。その辺りは母ではなくユーリ似、でしょうか」
母はまたニコっ、と意味深に笑った後。
「時間稼ぎは認めませんよ?」
的確に見抜かれてしまったから両肩を落とすエール。実を言えば、もうちょっとだけ状況整理とクールダウンの時間が欲しかっただけなのだが、母が自分以上に気合
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