第四十七話 越前にてその五
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「ことを進めていくんや」
「日本統一、そして太平洋での戦も」
「ひいては世界を救うこともですか」
「どれも進めていきますか」
「これからは」
「そうしてくことになるわ、そう考えたら」
実にと言うのだった。
「ほんま太宰君は広く先の先まで考えてるわ」
「宰相として」
「そう思うとほんま得難い人材ですね」
「あの宰相殿がおったらまさに百人力」
「国の柱ですか」
「ほんまにそやな、ほなこれからな」
やるべきことは終わった、それでというのだ。
「都、御所に戻ってな」
「政ですな」
「それにかかりますか」
「東海、北陸とのこともありますし」
「揃えた人材で内政もしますか」
「そうしていこな」
綾乃は八岐大蛇に笑顔で応えた、そうして八岐大蛇の背に乗って越前から都まですぐに戻った。それが今だったのだ。
御所に戻ってだ、一同にこれまでのことを話したのだった。
「こういうことや」
「いや、ほんまにな」
「綾乃ちゃんもよおやったな」
中里と芥川がここまで話した綾乃に応えた、三人も他の面々もお茶とお菓子を楽しみつつ話をして聞いていた。
「これで内政の柱が全員揃った」
「これから内政してこな」
「そうしてやな」
「いよいよ」
「そやね、東海と北陸やね」
綾乃はあらためて出されたういろうを食べつつ二人に応えた、抹茶のういろうである。
「そっちとのことで決着つけることになるか」
「どうやら彼等はです」
太宰がここで綾乃に言ってきた。
「東国と講和する様です」
「これまで睨み合っててか」
「はい、そうしてです」
「こっちにやな」
「兵を戻してそのうえで」
「もう一度戦をするつもりやねんな」
雌雄を決する、綾乃は坂口達のその決意を感じ取って表情を引き締めた。普段は温和な笑顔の彼女だが今はそうした顔になっていた。
「この前はこっちが勝ったけど」
「今度はです」
「向こうが勝ってやな」
「押し返す考えの様です」
「成程な、ほなこっちもやな」
「既に佐藤兄妹をそれぞれ越前と美濃の西に置いています」
東海と北陸の備えとしてだ、綾乃も太宰も既に備えを置いていたのだ。この二人は元々主にそちらの備えでいることが多かった。
「ですから」
「あの子達と一緒にやな」
「対しましょう」
「兵も向けてるしな」
「二十万の兵のうち十五万を向けています」
太宰は兵の話もした。
「その十五万の兵も用い」
「東海、北陸を攻めていくんやな」
「そうしましょう、そしてです」
そのうえでというのだ。
「今度こそ東海と北陸を我々の軍門に降しましょう」
「そうなるか」
「六つの星の者達も彼等の約六万の兵も」
その全てをというのだ。
「加えそしてです」
「より勢力を大きくしてやな」
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