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おぢばにおかえり
6部分:第二話 神殿その三
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かしら」
「わからないよね」
 やっぱり惚けたままです。
「何処の誰やら」
「まあいいわ。じゃあ」
 祖霊殿の前まで来てお辞儀をしてから中に入ります。ここは中山家の方々、教会本部に勤めておられた先生方の祖霊が祭られています。全部で三つの場所があります。
「参拝しましょう」
「うん。じゃあ」
 新一君も私と一緒にお辞儀をして中に入りました。そうして参拝の後で神殿の西の方から出て広い道を通って詰所に帰ります。右手に憩の家があります。天理教が作った病院です。
 そこを右手に見ながら歩きます。白い道を二人。子供達を連れて。
「すぐに終わったね」
「まあ神殿に参拝するだけだったし」
 新一君は相変わらず子供達の手を引きながら答えます。両手にそれぞれ子供達の手を持っています。私は残る一人の手を。
「そりゃまあ早く終わるかな」
「そうね。じゃあ後は詰所で」
「ねえ先輩」
 新一君は急に私に声をかけてきました。
「何?」
「お腹空いてない?」
「まあ言われると」
 お昼から結構経っています。それでお腹は結構減ってきていました。
「新一君は?」
「俺も」
 新一君も答えます。考えたら彼から話を振ってきたんですからこれは当然と言えば当然でした。


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