第1話 歴史
[4/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
戦争終結後、暫くして 神をも殺す力であれば、必ず魔王にも届き得る。いや、寧ろ魔王を圧倒し 平和を齎してくれる、と一部の者達の狂信的に崇め、奉っていた。
だからこそ――魔王の蹂躙の際に、その皆が声を上げたのだ。
戻ってきてください――と。まるで AL教での信仰心をそのまま彼にシフトしたみたいだった。
だが、それも長くは続かなかった。
彼の印象が、伝説が、残し続けてきた恩義が、全て180度変わる事になったから。
「…………」
彼がいなくなったハッキリとした理由は判らない。
でも、頼り過ぎるからダメだったんだ、と言う事は今なら本当によく判る。自分達の脚で歩かないといけないから、と。例えどれ程な地獄であっても…… 全てを1人に押し付けて良い訳ないから。
そして とても優しかった彼が、蹂躙されている国々をただ黙っていられる筈がない事も判る。だから 余程の事があったんだと思った。彼を知る誰もがそう思った。
そして――誰もがまだ生きている、と信じて疑わなかった。
「……だから、私にできる事を」
リセットは自分の手をこの青空にかざした。
その手は、父を……あの時の父に戻す事が出来る手。……自分がするべきこと。それは、この手を届かさなければならないという事。
必ずまた―――父に届かせなければならない。
ここで人類の歴史を振り返ろう。
LP8年にしてRA0年
□ 第二次魔人戦争勃発・終結。
ランス総統閣下率いる人類群と魔人ケイブリス率いる魔軍との戦いは、かなり危険な状況にまで陥ったと言えるのだが、まるで予知していたかの様に、水面下で対策を練っていたランスの奥の手や懐刀……と各国に伝えられているユーリの活躍により、魔人戦争の名を冠する戦争において、前代未聞とも言って良い程の最小限度の被害に抑えつつ、人類群の勝利で終結を迎えた。
□ 英雄ユーリの消失
人類の勝利で浮遊しているのにまるで地震でも起きたのかと言われる程大いに揺れたランス城。そこでランスと共に称えられる筈だったユーリの姿は無かった。ランスをたてるため、と当初は思われていたのだが、何の連絡もなく煙の様に姿を消し、一部の者達が混乱し、勝利の席で不安を大いに煽った。
□ 新たな魔王の誕生
混乱の最中……魔王に覚醒しかけた来水美樹からランスが己への魔王の血を移し替え魔王に就任。通常であればその瞬間から支配されるのだが、勝機を保ったままで魔物たちに対し、人類圏への不可侵を命じた。
魔王の力で魔人 健太郎から魔血魂を抽出。そして人間に戻った。
□ 魔王ラン
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ