第1話 歴史
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を見上げる。
そして、次に浮かぶのは…… そんな父を止める事が出来る筈の人の事。
父と共に世界を救い、束の間ではあったものの平和を齎してくれた英雄の1人。人物像を考えたら、圧倒的に英雄度は父親のランスを遥かに超える人。好色家の父だが慕う女の人も父に匹敵するどころか、それ以上の人。
その英雄の1人については――少し後にしよう。
それよりも今は世界だ。
束の間の平和は、終わりを告げたから。
あの日、当時世界を蹂躙し地獄に変えようとした魔人ケイブリスを筆頭にした魔軍を退け、最後に魔王になった父親ランスは、魔物たちに対して人類圏の戦争行為を禁じた。それと同時に姿も眩ませた。
世界各国、そして魔軍も探したのだが見つける事が出来ず、その一年後また現れた。
突如世界に新魔王軍を宣言し、翔竜山に本拠地《アメージング城》を建設した。
あの時の周囲の人たちの混乱っぽリを想像すると少し頭痛がする。大変だっただろう、と。父は魔王になってもおおむね変わる事は無かった。好き勝手、自分本位、やりたい放題。普通の魔王と違うらしいのは、父は支配と言う考えに興味が無かったと言う点だった。
新魔王軍――と言えば禍々しく、恐ろしく感じるものだが 規模にしては歴代においても圧倒的に少ない。精々数千程度の小規模のものだった。
でも――やることは非常に恐ろしい。
定期的にアメージング城から降りてきては国に攻め込み、可愛い子をさらってレイプするだけして返す。攻め込まれた国は当然成す術が無い。人類が一致団結し、1つにまとまっていたあの時とは違う。そして 英雄ももういない。
国単独で魔王に抗える筈もないからだ。まるで異常なまでに強い盗賊団を相手にしている様で、かつての英雄のその姿を見て尊敬できる者など殆どいないのは明白だった。
そんな中でも良い点は無い訳ではない。
以前の魔軍侵攻の際には人類滅亡の瀬戸際と言う事もあり、人類は結束していたが それが無くなった途端に、国同士の小競り合いが起こる様になった。でも、大きな戦争にならなかったのは魔王のおかげでもある。
気まぐれに世界中あっちこっちを攻めるからどこも戦争をする余裕などないから。そこだけが良い点だ。……人間は悲しい事だがなかなか仲良くできないから。其々の国の繁栄を第一に優先してしまうから……争いが生まれてしまう。でも 父の魔王がいたから大規模な争いは無くなった。
でも、そんな戦争のない世界も長くは続かなかった。
いつでもその気になれば 人類を地獄へと変える事が出来る存在……魔王。
された者からすれば溜まった物じゃないが、レイプされた女の子達。
当初こそ怪我もなく返された女の子達がまず変わった。再起不
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