第0話 始まりの夢
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―――どうだ……? 今回はお前もこればかりは予想外だったんじゃないか?
そこは果てしなく白い世界。否光に包まれた世界。
何人たりとも立ち入る事の出来ない聖域……神の領域。
そこには比較的陽気とも言える声が響いていた。
―――まさか、あの男の内にいたのが私だった事。お前は予想出来ていたか? くくっ ラサウムの事は彼奴は判っていた様だが どうやら私の事までは感知できなかった、と言っていたぞ。
目も開く事の出来ない程の光。それが少しずつ失われていき、軈て巨大な白い何かが現れた。
ゆらりゆらりと浮かび、その巨大な何かはぐるりと回ってこちら側を見た。あまりに途方もなく巨大な何かは一見しただけでは 生物……いや、神とさえ思わないだろう。白い何かの一部が大きく開いた。そこは 瞳だ。瞳がぎょろりと動き、彼を捕らえた。
―――後、誤解はするなよ? あの戦争の結末。そしてこれまでの絶望とも呼べる戦いの末。全て私は切っ掛けを与えたに過ぎない。判るだろう? もし私が存分に力を出し、お前達がそれを知り、人が栄えたら、全力でお前達は私を止める。……そして我らの本気の衝突は世界そのものを終わらせる。全てを無に帰す。……残るのは私とお前だけ。それは私にとっても好ましくない。
その白い巨大な何かを前にしても、臆するどころか対等に話しているのは1人の男。こちら側は見ただけで判る明確な姿だった。
―――随分と長い間、私はお前を憎んだ。その原因は判っている。長く、長く……私は触れすぎた為だ。私は時のメインプレイヤー達に触れすぎた。あのククルククルから始まり、ドラゴン、そして人間。……触れすぎ、温かい気持ちが芽生えた。
それはまるで ついこの間の事だった、と言わんばかりに呟く。
途方もなく長い歴史を視続けた事を。
―――そして、それらを壊し、嬲り、苦しめる。それを楽しみ、悦とするお前達をいつしか私は強く憎んだ。楽しませる事にそれを、その手段を選んだあの3人を 私は強く恨んだ。そしてその決定打は、ドラゴン達の消滅から……だったか。
憎しみを口にしていると言うのに、その口調は雰囲気は穏やかなものだった。思い出話に花を咲かせるかの様に。本当に憎んでいるのかさえ分からない程に。
―――ふふっ……。さぁ、どうする。いや もう判っているだろう? お前はずっとゲームをしていただけに過ぎない。そして、他人がするゲームを、多少弄りながらも上から眺め続けるのは飽きてきた。そうだろう?
男は宙を飛びゆらりとした動きでその巨大な瞳の前へと出る。
そして、その後ろにはもう1人いた。
―――伝えるのを忘れていた。今日ここへ来てるのは私だけじゃない。ふふ。この
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