ペルソナ3
2014話
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の者だった。
何故それが分かったのかと言えば、幾月が行方を眩ました後でその部屋の物を持っていった連中の1人だったからだ。
……あの時、俺も巌戸台分寮にいたんだよな。
だからこそ、この男があの時の1人だと分かったわけで。
「ああ、アクセルさんも一緒でしたか。それで、病人の方は……」
「部屋の中にいる。俺達も病院に行きたいが、一緒に行って構わないか?」
一応、本当に一応だが、まだ桐条グループの中に幾月の手の者が残っている可能性はある。
その為、影のゲートを使えば一瞬で転移出来るにも関わらず、こうして俺達も一緒に行く事にした訳だ。
……ただ、考えてみれば、チドリは意識を失ってるんだし、そのまま影のゲートで辰巳記念病院まで行けば良かったんじゃ? と思わないでもなかったが……まぁ、ゆかりの連絡を貰って美鶴がそう判断したという事は、何か意味があるのだろう。
例えば、特殊な治療器具を用意する必要があるとか。
まぁ、まだ制御剤が原因だというのははっきりと確定は出来ないんだから、検査とかもする必要があるんだろうけど。
ああ、そう考えれば、やっぱりある程度準備をする必要があるってのは納得出来るな。
ともあれ、来たのが桐条グループの者なら問題はない。
チドリを順平に背負わせて部屋を出る。
アパートの前に用意されていたのは、予想外なことにワンボックスカーだった。
病人を運ぶのなら、普通は救急車だろうが……幾月やタカヤに知られる可能性を少しでも下げたかったといったところか。
そんな訳で車の中にチドリを背負った順平を乗せ、俺とゆかりも乗るとそのまま出発する。
鍵は……と思ったが、そう言えばマサが鍵は別に掛けなくてもいいとか言っていた事を思い出し、気にしない事にした。
そうして辰巳記念病院まで向かっている間、車の中は沈黙に包まれる。
桐条グループから来た男達は、運転に集中しながら尾行している車がいないかどうかを確認して、こちらに話し掛けてくる様子はない。
ゆかりは……美鶴や武治といった個人に対してであれば、それなりに打ち解けてきているが、それが桐条グループとなればまだそこまで気安く接する事は出来ない。
順平は座席で横になっているチドリを心配そうに眺めていた。
うーん、この状況で別に和気藹々と話をしたいとは思えないが、それでも車の中が暗い雰囲気なのはあまり面白くない。
となると、多少なりとも話をする必要が出てくる訳で……そうだな、取りあえず空気を変える為に、話題を提供するか。
「そう言えば、今度の学園祭でうちのクラスは鉄板焼きの屋台をやる事になったぞ」
「……は?」
まさかこの状況でそんな言葉が出てくるとは思わなかったのか、順平は唖然とした表情をこちらに向けている。
ゆかりの
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