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ソードアート・オンライン 少年と贖罪の剣
第二章:アルヴヘイム・オンライン
第二十二話:傷痕
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「退院おめでとう、縺君」

「ありがとうございます、倉橋さん。お世話になりました」

 藍子が逝去してから、一週間が経った。
 元々はもっと早く退院する予定だったのだが、藍子の身辺整理や葬儀、その他諸々の手続きや親戚たちの相手をしなければならず、退院しても過労ですぐさま病院へとんぼ返りしそうな忙しさのオレを見兼ねて、倉橋さんが入院の期間を伸ばしてくれたのだ。その間、姉を失ったばかりである木綿季を一人にするわけにもいかなかったので、彼女も病院で寝泊まりすることになった。学校の方は丁度冬休みに入ったところなので、特に問題は起きなかった。ただ、親戚たちとのいざこざを余り見せたくはなかった、というのも本心ではあるが。

 オレがSAOに囚われ、義両親が亡くなった後、親戚たちは今まで家族で住んでいた家を取り壊し、土地を何らかの形で活用することを目論んでいたらしい。その契約を結ばせるために木綿季の元へ度々現れたそうだが、あの胡散臭い総務省の菊岡さんの知人である法律家に頼んで、事なきを得ることができた。

「大変だったみたいだね」

「ええ……けど、オレなんかよりも木綿季の方が大変だったでしょうから、これくらいでへばってはいられません」

 そう、オレがいなかった約二年間、木綿季はほぼ一人で生活してきた。VRの世界ではスリーピング・ナイツという仲間がいたが、現実ではそうはいかなかっただろう。友人は多いと聞いたが、家ではそうはいかない。

「そうだ、縺君は研究医を目指しているんだったね。なにかわからないことがあったら、何時でも頼ってください」

「それはありがたい。是非、力を貸してください」

 今回の藍子の件を経て、オレの将来の目標は確固たるものになった。彼女や義両親を死に至らしめ、今も木綿季を蝕んでいる病の治療法を確立させる。それがどんな困難な道であるかは、理解しているつもりだ。だが、彼女の死に際を見届けた者として、オレは、何としてでもそれを成し遂げなければならない。

「それじゃあ、元気でね、縺君」

「倉橋さんも、どうか無理はしないでください」

 倉橋さんはこれから、藍子が試験体となっていたメディキュボイドの実用化を目指すらしい。藍子に施されたような終末期医療のためだけではなく、重篤患者の希望としてメディキュボイドは進化していくべきだと熱弁していたのは記憶に新しい。そして、もしそうなった時、藍子君は最初の協力者として永遠に名を残すことになるのだとも。そんなことになったら、きっと藍子は、困ったようにはにかむのだろうけど。

「さて」

 とは言え、このまま平凡な日常に戻る、という訳にはいかなかった。オレには、まだやるべきことが残っている。
 倉橋さんがわざわざ呼ん
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