ペルソナ3
2013話
[5/5]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
はもしかしたらそんな風に偶然出会っていた……そんな可能性があるかもしれないとは、思う。
もっとも、それを言える訳もないが。
「そ、そうだよ! 偶然だって。実際、俺がチドリに初めて会った時は、チドリは全く俺に興味がなさそうだったんだぜ? それで時間を掛けて話すようになっていって……」
そこまで言った順平は、当時の事を思い出しているのか、何故か惚気のように色々と説明してくる。
曰く、チドリは絵を描くのが好きだ。
曰く、人の事を嫌っているように見えて、実は気にしている。
曰く、猫のような性格をしている。
曰く、綺麗好きで毎日どころか、1日に何度も風呂に入りたがる。
曰く、その奇抜なセンスで人目を引く事もあるが、本人はそれを全く気にした様子がない。
曰く、曰く、曰く、曰く……
何て言えばいいのか……うん、ちょっと前の夏祭りでも感じたが、砂糖を吐くってのはこういう事だな。
普通ならブラックコーヒーでも欲しがるところだが、俺の場合は紅茶派なのでストレートティーが欲しいというのが正確か?
ともあれ、俺が聞きたいのは順平の惚気ではないので、一度止める事にする。
「落ち着け。それで結局、このチドリとかいう女は何でこうして気を失ってるんだ? タカヤ辺りとやり合ったのか?」
「いや、それが……」
順平が何かを言おうとした時、不意に今まで眠っていた筈のチドリが大きく目を見開いた。
「ああああ……あああ……あああああああああああああああああああっ!」
そして上がる悲鳴。
ちょっと待て。これって見覚えがあるぞ? これって……
そう考える俺の前で、不意にペルソナと思われる存在が姿を現す。
「チドリ! 落ち着け、チドリ! メーディアを戻せ!」
メーディアと呼ばれたペルソナを見て、切迫した順平の声が部屋の中に響き渡るのだった。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ