a=4
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
当分忘れられそうにない。
俺は暗い場所にいた。
「ナツ?」
近くにナツがいた。
「母さん?」
母さんもいた。
二人がこちらを見ていた。
だけどその目には何も写ってなかった。
やがてクルリと向こうを向き、二人は歩きだした。
「待って!どこ行くんだよ!?」
二人を追おうとした。
だけど…
どぷん…
足が何かに呑まれた。
その粘性の何かは俺の足を絡めとる。
「待って!行かないで!」
二人に手を伸ばそうとした。
でも、伸ばす腕なんてなかった。
二人が再びこちらを見た。
その目には疎ましさがあった。
そして二人は歩き出した。
「待ってよ!いかないでよ!」
待って…!
「見捨てないで!ボクを見捨てないでよ!」
なんで…なんでだよ!
「ボクの腕が無いから!?だからボクを見捨てるの!?」
まってよっ!
「おねがいだよ…ボクを…」
おいていかないでよ…
途方にくれて空を見た。
あぁ…もしも…ぼくに腕の代わりがあったら…
そう…例えば翼があれば…
そしたら二人を追っかけて、隣に立てるのに…
腕がなくても…羽があったなら…
《それが、君の望みか?》
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ