「ご飯にしますか? お風呂にしますか? それとも……わ、た、し?」
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買ってきたのですが、これはどうやって食べるのでしょう」
そうしてリズはアルゴと実際のところの相談に、ショウキはせっかく新たな素材も手にいれたことだし、試しに作ってみるかと炉のふいごを起動すると、いつの間にやら背後にいたからプレミアから声をかけられて。共に炉の中でぼうぼうと燃える炎を見ながら、プレミアから何やら食材アイテムを渡される。
「……芋?」
「おっ、懐かしいモノを持ってるじゃないカ」
正確には《イクチオイドの芋》、というらしい。ショウキの《鑑定》スキル程度でも分かるとなれば、あまり希少価値のあるアイテムではなさそうだが、こちらを覗いてきたアルゴが首をかしげていたショウキとプレミアの元にやってきた。
「《イクチオイドの芋》……アルゴは知ってるの?」
「愚問だナ。これを見つけてくるとは、プレミアも筋がいいゾ」
「よくわかりませんが誉められました。ありがとうございます」
片手でプレミアの絹のような髪に覆われた頭を撫でながら、アルゴはもう片手でショウキが持っていた《イクチオイドの芋》二つを奪い取ると、燃え盛る炉に向かって放り投げた。
「ちょっ……あのねぇ、あたしたちの炉は焚き火じゃないのよ!?」
「まあまあ、見てろっテ……よっこらせってナ」
未知の素材すらも焼却してみせるふいごに明らかに芋は耐えることが出来ずに、すぐさま焼けるどころか炭と化していってしまう。ただしリズの忠告にも適当に返したアルゴの手が高速で動いたかと思えば、いつの間にやら腕に装備していたクローに、見事に焼けた《イクチオイドの芋》が突き刺さっていた。
「焦げるギリギリが一番美味しいってナ。大した炉の火力だったヨ、店主?」
「……そりゃどうも」
「おお……」
誉め言葉とともに差し出されたイクチオイドの焼き芋を、リズは真っ二つにしてプレミアに渡しながら。内部から露出してきた黄金色の本体を興味津々といった様子で眺めるプレミアを微笑ましげに見つつ、四人ともに焼き芋が手に回ったことを確認しながら。
「それじゃあ、プレミアが買ってきてくれた焼き芋を」
「いただきます」
「…………!」
一斉に焼き芋を頬張ると、プレミアの身体がピクリと震えていた。リアルでもわりと焼き芋を食べる経験のあるショウキだったが、確かに言うだけのことはあると、すぐさま二口目に向かって。
「あら、美味しいじゃない」
「だロ? なかなかイケるくせに、ドロップ率が悪くてナ……」
「何からドロップするの?」
「……聞かない方がいいと思うゾ」
「プレミア?」
店がどんなにボロかろうと炉だけは手を抜かなかった店主が選んできた通りに、流石は当店自慢の炉といったところか、熱々の焼き芋は一気に
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