金城零二vs幻想殺し・1
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夕立と赤城、そして加賀。三者三様互いに互いの意思を汲み取り、作り上げた隙への完全な奇襲。演習用とはいえ魚雷数発を誘爆させた爆発に巻き込んだんだ、下手すりゃマリンバイクごと海の藻屑だ。
「やったか!?」
「おいおい、変なフラグ立てるなよ。沈んでくれりゃあ調査の手間も無いんだからよ……」
明石が下手なフラグを立てやがるもんだから横槍を入れておく。あの右手は明らかにヤバイ。厄介事の匂いしかしない。ならば連れてきた艦娘達には悪いが、ここで沈んでもらうのが一番後腐れもなく面倒も無いんだが……。
「ま、人生そう上手くはいかねぇよなぁ」
爆風が晴れると、そこには上条が変わらず立っていた。しかし、無傷という訳ではない。爆発による火傷と無数の擦過傷に切り傷。重傷とまでは言わないが軽くない怪我だ。その姿を見つつ、俺は屈伸をしたり手首や足首など関節をゴキゴキやって解していく。
「な、何してるんです?提督」
「何って……準備運動」
恐らく上条は赤城と加賀にもトドメを刺しに行く……というか服を脱がしにいく。そうなれば演習はウチの負けだ。しかし、ウチにも面子って物がある。それに、ジジィからの依頼もあるからな。あの摩訶不思議な右手を含め、じっくりと話を聞こうじゃねぇか……俺がボコった後で。
「要するに負けた腹いせですね、わかります」
「うるせぇぞ、腹黒眼鏡」
そんな会話を交わしている間に、海上では決着がついたらしい。赤城がアッパーで吹き飛ばされているのが見える。昇〇拳かよ。
「あたたた……」
身体中至る所に治療の跡を付けた上条が医務室から出てくる。演習の後、金剛達に服をキャストオフした事を謝りに行ったら鉄拳制裁を喰らったと更にボコボコにされて戻ってきた。あまりにも酷かったので明石に手当てを命じたんだ。
「こっぴどくやられたな……大丈夫か?」
「あはは……大丈夫でふよ、この位。いつもの事なんで」
女にボコボコにされるのが日常とか……こいつも色々と苦労してるらしいな。思わず苦笑いが零れるが、それはそれ。すぐに表情を引き締めて真面目な表情を作る。
「なら、もののついでだ。俺の相手も助かるんだがな」
「え?大将さんは何をいっているのでせう?」
せう?って何だよ、せうって。
「いやなに、お前さんの暴れっぷりを見てたら昔ヤンチャしてた頃の血が疼いてな。出来たら一丁相手をしてくれると嬉しいんだが……その傷じゃあ無理か」
「ちょちょちょ、待ってくださいよ!別に相手すんのは構いませんけど、今演習終わったばっかでヘトヘトなんすよ俺」
「それなら試合に丁度いい場所がある。そっちに移動してからいくらでも休憩させてやるよ、ついて来な」
そう言っ
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