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世界をめぐる、銀白の翼
第七章 C.D.の計略
謎の答えは歩いてこない
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はぁ!?テメェなんぞに話せることなんか何もねーよバーッカ!!」

である。
この男、以前よりひどくなってないだろうか?

それに対し、良太郎はというと

「・・・・そう、わかった」

とだけ言うのみ。
そして一歩下がり、ぺこりと頭を下げた。

「ごめんなさい、失礼しました」

そう言うと、踵を返して帰ろうとする。
その肩に肘を乗せ、ついていくモモタロスが聞いた。

「おい良太郎。なーんでそこでゴメンナサイなんだよ!?」

確かにそうである。
あれだけ罵倒されているのだから「そっか」だけでもいいものである。

まあ言い返さない・・・というか、言い返せないのが彼らしいが。
しかし、この場合の彼は言い返すよりもたちが悪かった。


「いや、だって・・・あの人もらっただけで何もわからない人だし、あんな感じの人だと、僕の経験上何か覚えていられるような人とも思えないし。何もわからない人に聞いちゃって困らせたかなって」


これである。
しかも、本人はいたって本気である。

普段ならここからケンカに巻き込まれ(と良太郎は思っている)、そこそこの怪我をして家に帰るのだが


「おいお前今なんつったゴラァ!!」


檻の中の呉木田には何もできない。
挙句、うっかり檻に掴みかかり電流に痺れる結果となった。



「じゃあ、次の人だね」

「ねーカメちゃん。ボク時々良太郎がすごく怖いよ」

「奇遇だねリュウタ。僕も同じこと考えてた」

「あ?良太郎はキレるとまじおっかねーぞ。こう・・・じっと近くで見てくる感じが」

「無言の圧・・・っちゅー奴やな、うむ」


ともあれ、そんなこんなで最初の一人は空振りだった。
では、次の人はどうだろうか?



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というわけで、次に来たのは「EARTH」で保護されている久遠レイカの病室だ。
「保護」とは言いながらも「拘束」と紙一重なところではあるが。

病室を訪れた彼が目にしたのは、ベッドを起こして、ボーっと座っている彼女の姿だった。

まだ記憶が混乱しているらしく、はっきりとした言葉が出てこないのだそうだ。


「あの・・・」

「・・・はい」

「大丈夫、ですか?」

おずおずと聞く良太郎。
それに対し、久遠レイカはフウ、と溜息をついた。


「まあ、ね。記憶は何が本当だったのか、ちょっと曖昧だけど。なんとか、なんとなく、ね」


自分で確認するかのように、少し自信無さげに話すレイカ。


自分の中の何が本当なのか、まだ整理がついていないようだ。

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