52部分:第八話 はじまってからその八
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「お姉さんでも妹ばかりですよ。それでどうして弟なんて」
「嫌なのね」
「欲しいのはお兄さんです」
誤解招く言葉かも知れませんけれど。こう言いました。
「他はいらないです」
「あらあら、どうにも厳しいのね」
「別に私を好きでいてくれるんならそれが一番ですけれど」
不思議と昔からいざって時になると顔はいいって感じです。大切なのは性格なんだっていうのは子供の頃からお父さんとお母さんに言われています。ですから確かに好みのタイプはありますけれど私を好きでいてくれたら誰でもいいです。・・・・・・ただ、今まで告白とかしてくれる人はいなかったですけれど。
「そこもちっちらしいわね」
「そうなんですか」
「私なんてあれよ」
先輩はまた少し寂しい顔になりました。
「そんなのわからなかったから」
「わからなかったから」
「まあ。ここで言ったら駄目よね」
けれど途中でお話を止められました。
「ここではね。参拝するところだし」
「そうでした、参拝ですよね」
「ええ。まずは食べる前に」
「参拝を済ませてから」
「行きましょう。それでいいわね」
「はい、宜しく御願いします」
こうして座りづとめをしてから駅前に行きました。そうして二人でソフトとドーナツを食べました。けれど何か色々と先輩と二人でそれからもお話しました。
先輩は凄くいい人です。それでもそのいい人になるまでに何か色々とあったようです。辛かったことや後悔したことも。それを聞くつもりはありませんけれど先輩も凄く色々なものを持っていることに気付かされました。人は一日ではその人にはならないのですね。
第八話 完
2007・11・17
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