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レーヴァティン
第四十九話 八人目のことその十

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「飲んでるさ」
「では私は」
「僕もね」
 ここで言って来たのは源三だった。
「行くよ」
「そうして楽しんでか」
「情報も集めてくるよ」
「それじゃあな、俺は他にも回るからな」
 こう言ってだ、そのうえでだった。
 一行はそれぞれの行く場所に向かった、そうしてでった。 
 久志は飲み他の面々は娼館に入った。久志は店を巡っているとそれでだった。久志は市場を出ている時にも色々な話を聞いて。
 その中でだ、こうした話を聞いた。
「へえ、南の方にか」
「ああ、ミラノにな」 
 この街にとだ、アクセサリーを売っている店の親父が店で妻の土産のアクセサリーを求めている彼に話したのだった。
「面白い女がいるらしいぜ」
「面白いか」
「ああ、獣使いでな」
「獣使いか」
「あらゆる獣を使えるらしいぜ」
「あらゆるっていうとな」
 そう聞いてだ、すぐに行った久志だった。
「ドラゴンでもかよ」
「いやいや、ドラゴンはな」
「そっちはか」
「滅多にいないからな」
 それでというのだ。
「流石に操れないらしいけれどな」
「ドラゴンはないか」
「それでもキマイラでもグリフォンでもな」
 そうした強力なモンスター達をというのだ。
「自由に言うことを聞かせられるらしいぜ」
「キマイラでもかよ」
 久志もこのモンスターは知っている、非常に強力なモンスターの一つだ。
「言うこと聞かせられるのか」
「何でもな」
「それは凄いな」
「正式な職業はドラゴンマスターらしいな」
「ああ、そのドラゴンも操れる」
「しかしな、ドラゴンはな」
 先程話した通りにというのだ。
「滅多にいないだろ」
「会った方がラッキーだな」
「まあ会ったら凶暴な奴だったら食われるがな」
 親父は幸運だと言った久志に笑って返した。
「その時点でな」
「それはそうだけれどな」
 久志も笑って返した。
「けれど実際滅多にいないだろ」
「数はかなり少ないな」
 それがドラゴンだ、とにかくその数は極めて少なくそうしてだった、久志達にしてもこれまで遭遇したことはない。
「だからな」
「ドラゴンマスターと言ってもか」
「肝心のドラゴンがいなくてな」
 言うことを聞かせるべきだ。
「獣使いなんだよ」
「そうなんだな」
「そう言われてるんだよ、それでな」
「その女は獣使いか」
「ああ、東の島の顔立ちだな」
「間違いないな」
 そう聞いてだ、久志は確信して頷いてだった。親父に言った。
「わかった、じゃあミラノにも行くな」
「そうするんだな」
「是非な、ここを後にしたらな」
「そうするんだな」
「ああ、しかしミラノか」
 久志は今度は頭の中にこの島の地図を描いた、その中にミラノと彼等が今いるコペンハーゲンもあった。
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