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レーヴァティン
第四十九話 八人目のことその九

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「もう奥さんいるからな」
「ああ、ヨハネスブルグの」
「ずっと離れ離れだけれどな」
 このことは久志が冒険に出ているので当然のことだ。
「いるからな」
「それでなんだ」
「そっちは別にいいさ」
「そうなんだね」
「相手がいたらな」
 妻や彼女、そうした存在がというのだ。
「やっぱりな」
「そうした遊びはしないんだね」
「そうすべきだからな」
「じゃあ君は娼館には行かないね」
「ああ、いいさ」
 淳二にはっきりと答えた。
「俺はな」
「じゃあおいらは行ってくるね」
「僕もね。嫌いじゃないから」
 剛は微笑んで淳二に続いた。
「そっちにも行ってくるよ」
「御前もかよ」
「うん、久し振りにね」
「久し振りって前にもか」
「何度か行ってるよ、行ったらね」
 その場合のこともだ、剛は久志に話した。
「金髪、黒髪、茶髪、赤髪、銀髪の女の子達と一度に遊ぶんだ」
「髪の毛で選ぶのかよ」
「目の色の場合もあるよ。青、緑、黒、灰、茶、紫とかね」
「そうか、しかしな」
「しかし?」
「一度に何人も相手にするのかよ」
「それが普通だよね、ああした場所に入ったら」
「多分普通じゃねえな」
 久志はすぐに剛にこう返した、そして後で英雄の遊び方も聞いて同じことを思うことになるがこの時はそうしたことは考えてもいなかった。
「それは」
「そうかな」
「そうだよ、しかしな」
「しかし?」
「娼館に行ったらな」
「情報収集もだね」
「頼むな、俺は飲み屋とかで聞いて回るな」
 各地の、そして残る仲間達の情報をというのだ。
「そうするな」
「そうするんだね、君は」
「ああ、娼館には入らなくてもな」
 それでも情報収集に行くあてはあるからだというのだ。
「そうするな」
「それじゃあね」
「我々もですね」
「そうだね」
 順一と源三も話した。
「娼館行こうか」
「そうしますか、こちらの世界では司祭でもそうした遊びをしてもいいですし」
「だからだね」
「はい」
 それでと言うのだった、順一も。
「私もです」
「行くんだな」
「そうさせてもらいます」
「そうか、まあ俺はな」
「奥方がおられるからですか」
「別にいいさ」
 そうだというのだ。
「特にな」
「浮気はですか」
「しないさ、こいつが言ったけれどな」 
 先程修羅場の話をした淳二を見つつ話した。
「俺も浮気はな」
「されないですか」
「元々そういうのはどうかって思ってるしな」
 だからだというのだ。
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