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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百八話 ローエングラム陣営は自由惑星同盟侵攻の準備を整えます。
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間髪入れずに帰ってきた答えにヴァリエは気を削がれた顔をした。
「別の人・・・・?」
「アンネローゼ・フォン・グリューネワルト伯爵夫人よ。」
これはもっとも考えたくはない事だけれど、と前置きしてイルーナは説明を始めた。
「私たちが勝って凱旋した場合、シャロンは最後の一手を放つことになる。それは直接的には私たちを殺すことはできないけれど、私たちを追い詰めることはできる手段よ。」
「それが、ラインハルトの御姉様を殺すことだというのですか・・・・・・!!」
ヴァリエははっとしたように眼を見開いた。
「そう。・・・・私たちはラインハルトと敵対はできない。仮にアンネローゼを殺されてしまったとしたら、私たちはどうあってもラインハルトに顔向けできない。何故なら私たちがラインハルトを戦争に引きずり込んだのだから。ラインハルトの討伐対象にされてしまっても文句は言えないということはわかるでしょう?」
「・・・・はい。」
「であればこそ、後方の守りも万全にしておきたいのよ。フィオーナ、ティアナに匹敵する人間で、表舞台にでていない人間をそばに置きたいの。」
ヴァリエはと息を吐いた。
「それが・・・私なのですね。」
ヴァリエはテーブルに視線を落とした。その横顔はどこか寂しそうな複雑な表情だった。
「万が一のことがあれば、あなたはアンネローゼを伴って逃げる算段もしなくてはならない。今回の戦いは、むしろ後方に立つあなたに重責を課すことになっているわ。」
「・・・・・・・・。」
ヴァリエはしばらくテーブルの桜材をじっと見入っていた。
「ま、あなた一人いれば一個師団をアンネローゼの周りにつけるよりもずっと安全だっていうことよ。」
アレーナが言った。
「主席聖将、いえ、軍務尚書閣下や宰相代理閣下はそれでいいかもしれません。」
ヴァリエはぽつりと言った。
「ですが、万が一のことがあった場合、私一人で戦えと・・・そうおっしゃるのですか?」
冷徹な彼女にしてはあまりにも声と感情が震えすぎた発言だった。彼女自身それを恥じたのか、急に頬を紅潮させて、睫毛を伏せた。
「申し訳・・・・ありません。」
イルーナはヴァリエをじっと見ていたが、やがて「ほっ」という吐息を漏らした。そこにはどこか悲哀の色が混じっていた。
「あなたがどうしてもいやだというのであれば、人選を考え直さなくてはならないわ。感情に左右されれば、取り返しのつかない失敗になる。それをあなたが心から理解した時に私の依頼を受けて頂戴。」
「はい・・・。」
もう結構だから、という言外の言葉を受け取ったのか、ヴァリエは立ち上がって一礼した。
「失礼します。」
ヴァリエは退出しようとしたが、戸口で足を止めた。
「ですが、これだけは言わせてください。」
とヴァリエは戸口で振り返った。水色の流れる様な綺
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