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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百八話 ローエングラム陣営は自由惑星同盟侵攻の準備を整えます。
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とにかくシャロン相手に用心することは賛成だけれど、ん〜〜まぁ、そうか。シャロンをそもそも倒せるかどうかが微妙なところだものね。」
「・・・・・・・・・。」
イルーナは黙ってカップに指を絡めた。その通りなのだ。いくら将来の話をしたところで、シャロンを斃せなければまったく意味をなさなくなるのだから。あまりにも重すぎる命題だ。
「それはそうと後方の守りはどうするの?」
アレーナが話を変えてくれたので、救われたようにイルーナはその人事を話した。

 レンネンカンプ、ヴァリエ、そしてケスラーは帝都の留守を預かることとなる。

 もちろん、艦隊の総数は可能な限り増強するつもりでいるし、現に猛訓練を受けた精鋭部隊が主力侵攻軍あるいはフェザーン方面別働部隊に続々と加わりつつある。敵は文字通り自由惑星同盟130億人そのものだとイルーナは思っているからだ。はっきり言ってこれでも足りない。

「へぇ〜ヴァリエにね。」
アレーナは面白そうに指でカップをはじいた。
「ヴァリエにはこのことは言っているの?」
と、アレーナが尋ねた時、ドアがノックされる音がした。アレーナはオーラを消し、二人は振り返った。
「入っていいわよ。」
声に応じて入ってきた執事は、長年ランディール家に仕えている人間であり、既に破天荒な対応には慣れている様子だった。
「お客様でございます。エルマーシュ侯爵閣下のご令嬢様で――。」
「あぁ、噂をすれば何とやら、ね。イルーナ。」
アレーナの言外の無言の問いかけに、イルーナはうなずいた。
「通していいわよ。」
ランディール令嬢の言葉に執事は一礼して下がった。ほどなくして、水色の髪に冷徹そうな青い瞳をきらつかせたヴァリエが入ってきた。ヴァリエ・ル・シャリエ・フォン・エルマーシュは現在大将兼憲兵隊副総監として各部署を取り仕切っている。レンネンカンプが上級大将に昇進し、彼女もまたそれに伴って昇進したのである。
「お邪魔したら、ここだと伺ったものですから――。」
「こっちに来て座りなさいよ。なんだか言いたいことがある気配を出してるもの。」
「ええ!!!」
ヴァリエはつかつかと部屋に入ると、椅子を放り出すように引き出すと、勢いよく座った。ダン!!という震動が部屋を襲った。
(普段あんなにティアナといがみ合っているのに、こういうところは二人ともそっくりなのよね。)
と、アレーナは面白そうに思っていた。
「何故私が残留なのですか!?」
開口一番ヴァリエがイルーナをにらんだ。
「転生者としてここにきている以上、理由はどうあれラインハルトを守る覚悟はあるつもりです。フィオーナも・・・いえ、ティアナでさえも出征しているのに、何故私一人が残留になっているのか、その理由をお聞かせください。」
「あなたには別の人を守ってほしいからよ。」

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