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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百八話 ローエングラム陣営は自由惑星同盟侵攻の準備を整えます。
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、この二つがあの子の持ち味と言ってもいいわ。」
最後は吐息交じりだった。
「なるほど・・・・。で、私たちはその恐怖の渦の中に敢えて飛び込もうっていうわけなのね。」
「私たち?」
「私も行くわよ、当然でしょう?あんたたちに美味しいところを全部持っていかれる筋合いはこれっぽっちもないのよ。私だってラインハルトの『姉』なのよ。ここまでラインハルトを育てたんだもの。それなりの責任はあるし。・・・どうしたのよ?」
最後不審そうな口ぶりになったのは、イルーナが笑い出したからだ。
「あなたの口から、そんな言葉が出てくるとは思わなかったわ。つかみどころがないあなたなのに。」
そうは言っていても、彼女は驚きと暖かい感動を胸にわかせていた。ここまでラインハルトを育てたのは、何も自分一人だけの力ではない。フィオーナ、ティアナ、レイン・フェリル、アリシア、バーバラ、エレインたち・・・・そして死んだジェニファー。転生者たちは死力を尽くしてラインハルトを守り抜いてきた。
その陰の功労者として最も表彰されていいのは、アレーナなのに、彼女は何一つ得ようとはしない。それどころか、死地に自ら飛び込もうとしてくれている。飄々としている彼女からは想像できなかった回答だっただけに、とても嬉しかったのだ。
「失礼ね〜。」
アレーナは茶請けのクッキーを口に放り込むと、バリバリと噛んだ。慎み深い仮面を二人きりだからこそ、脱ぎ捨てている。
「あったりまえでしょ。あくせくして働いているのは、ヴァルハラで超リッチなバカンスを、シャンペンタワーを、エステを、満喫するためなんだからね。」
「はいはい。」
そう言う事にしておきましょうか、と言外に言っている元前世主席聖将の顔をアレーナはにらんだが、真顔に戻った。
「それで、自由惑星同盟侵攻計画はどのようにするつもり?」
「最終的にはラインハルトの賛同を得られれば、だけれど、私の中ではほぼ思案は決めているわ。」
イルーナは周りを見まわした。
「大丈夫よ、この部屋、防音壁だし、盗聴装置もないわ。それに念のため、今私たちの周りには私がオーラを解放してシャットアウトしているから。」
うなずいたイルーナは、
「自由惑星同盟侵攻計画は次のとおりよ。」
と、話し出した。

 概要は至ってシンプルだ。軍を二手に分ける。

一方はイゼルローン方面から、そしてもう一方はフェザーン方面から大軍を送り込む。このうち、別働部隊はフェザーン方面軍である。両方の回廊が使用可能である以上、何もフェザーン回廊から侵攻することのみがシャロンに奇襲を与えることにはならない。であればこそ、知悉している宙域から攻め込んだ方が多少はアドヴァンテージはある。
 イルーナはそう判断したからこそ、あえてフェザーン方面からの侵攻軍は別働部隊としたのだった。もっとも、その
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