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2章 生き様
15話 単独行動其の二〜リア編〜
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沈黙ののち、詰まっていたリアの顔に浮かんだのは、ほぼ人間に近いAIであるインフェルノ・ドラゴンも想像しなかったものだった。




 それは、黒い光が底光りする、どこまでも沈む沼のような瞳に、皮肉気に口角が上がった笑みだった。





「…なるほどね。確かに私にはぴったりかもしれないね。…そう。私はツカサ君のためにだったら何でも捨てられるし、なんにでもなれる、どんなことでもできる…」




 インフェルノ・ドラゴンは、その様子をじっと見つめていた。やがて、



「確かに、そなたに暗黒剣が渡ったのは運命的だったのじゃろうな。…さて、そろそろ話は終わりとしようかのう。わしは暗黒剣を持つ者の相手をするように作られた。そのお役目を全うしなければならないのでな。…すまぬな」


「別に。私もあなたを倒しに来たんだから、戦ってもらわなくちゃ困る。…さあ、少しは楽しませてくれるのかな!」


 


 リアは、下げていた愛剣を構えなおし、ゆっくりと体重を落とす。





 



 まずインフェルノ・ドラゴンの初撃は、先ほどリアが見切った通り、ファイアブレスだった。通常のドラゴン型モンスターと変わらず、大きく後ろにのけぞる。これだけ大きなモーションがあるのだから、避けられるにきまってる…思った瞬間だった。




 リアはその時思い出したのだった。




 自分は半径1メートルほどしかない、マグマの湖に浮かぶ島のような足場に立っていることを。



 たとえ入り口のほうに戻ったとしても、縦に避けても意味がない。横に避けなければ。








「うっそでしょ…?」

 思わずリアは毒づくが、そんなことをしてもドラゴンがブレスをやめてくれるはずもなく。


「っ??」


 これはもう、タイミングにかけるしかなかった。時間内に、できるだけ下がると、リアは助走をつけ、思いっきり地面を蹴った。



 この世界の跳躍は、敏捷値よりも、筋力値に依存している。ゆえに、STR寄りのリアにとっては得意分野である。




 大きく首をのけぞらせたインフェルノ・ドラゴンは、まだリアが飛んだことに気が付いていない。そして…









 その口から放たれたブレスは、今まで数々の修羅場を駆け抜け、強力なモンスターたちを次々と粉砕してきたリアでも、さすがにここまでの威力かつ広範囲のブレスは見たことがなかった。


 ざっと目測で、長さが6メートル、角度はおよそ45度程度。一級品である。



「いや、もはや殺すつもりしかないでしょ、茅場昌彦さん…」


 ぼやきながらも、リアは地面
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