暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
ペルソナ3
2011話
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アワビが火を嫌がるように大きく動き、それがまた見ている者の目を楽しませる。
 買えば、間違いなく1つ数千円はするだろうアワビだったが……今朝、俺が影のゲートで日本の領海外まで行って無人島で獲ってきた奴なので、当然元手は無料だ。
 普通なら交通費とかも掛かるんだろうが、俺の場合は影のゲートを使えば一瞬で移動が完了するしな。
 ともあれ、そんな巨大なアワビが複数鉄板の上にあるというのは……それこそ、普通の高校生には見る機会がないのは間違いない。
 勿論、家が金持ちだったら話は別だろうが。

「取りあえずアワビの方は焼けるまでもう暫く待て。ああ、ついでにこれも焼いておくか」

 こちらもアワビと一緒に獲ってきたサザエを、鉄板の上に置いていく。
 そうして貝殻の中に、醤油を少量垂らす。
 そうなると、アワビが熱で暴れたのとは別に、サザエは醤油を入れられた事で暴れ出す。
 そうして……気が付けば、クラスのほぼ全員が俺の前に集まっていた。
 いや、どう考えてもクラス全員に行き渡るだけの量はないんだけどな。

「取りあえず、じゃんけんでもして食べられる奴を決めておけ。でないと、一口にも満たない程度の量しか食えなくなるぞ」

 俺のその言葉に、皆が自分が食べたいと主張し……大じゃんけん大会が開かれる。
 ちなみに、何故かそれには担任の鳥海も参加していたんだが……いやまぁ、食欲というのは、それだけ凄いという事なのだろう。
 そう思いながら、俺は大分焼けてきたトウモロコシに醤油を塗るのだった。
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