ペルソナ3
2011話
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「肉は室温に戻してから焼くこと。いいな。これを忘れるなよ。今日は外だから室温って言い方はおかしいかもしれないが」
そう言い、俺は熱した鉄板の上に肉を置く。
瞬間、肉を置いた鉄板の上からはジュワ……という、何とも食欲を刺激する音が周囲に響く。
……ただし、その音を聞いているのは俺のクラスの面々だけだが。
もっとも、ここが長鳴神社の境内なのだから、他に人がいる筈もないが。
いやまぁ、今日は日曜で秋晴れと呼ぶに相応しい天気だし、この境内で遊ぶ奴がいてもおかしくはないんだが……生憎と……もしくは幸いか? ともあれ、この境内に遊んでいる小学生とかはいない。
そう言えば、前まではこの境内で遊んでいた舞子を見る事があったんだが、最近はあまり見ないな。
友達と仲良くやってるのか?
ともあれ、今日……学園祭まで残り1週間くらいの、9月13日の日曜に長鳴神社の境内にどうしても外す事が出来ない用事を持っている者以外が集まったのは、それこそ文化祭の時に初めてこの鉄板を使うのはどうかという思いからであり、前夜祭……というのにはちょっと早すぎるが、ともあれそんな訳で試し焼き……というのも何だが、こうして焼いてみる為に集まった訳だ。
本当に焼く練習だけであれば、当日料理する奴だけが集まればいいのだろうが……焼いた料理は、どうせなら全員で食べた方がいいだろうという事で、こうしてクラスで時間のある者全員が集まった。
ちなみに場所が長鳴神社の境内だったのは、単純にこれだけ集まれるような場所があまりなかったからだ。
……まさか、今の月光館学園でこうして集まる訳にもいかないし。
商店街の方で保管していたこの鉄板だから、長鳴神社まで持ってくるのも大変ではなかった。
いやまぁ、日頃運動不足な男は、鉄板やら何やらをここまで持ってくるのに体力を使い切っているが。
それでも肉の焼ける香りで復活してくるのは、高校生らしいと言えるのだろう。
ただ……こうして復活してきたのは分かるが、実は今日のこの前夜祭という名の練習が終わった後で、また神社の階段を下りて持って行く必要があると、その連中は理解しているのだろうか。
「はいはい。皆、それぞれ持って来た食材を出しなさい。アルマー君の肉に集中しても、全員分は当然ないわよ」
鳥海の言葉が、周囲に響く。
こうして境内で火を使う以上、当然のようにそこには責任者が必要となる。
そして2-Fの責任者と言えば、それは担任の鳥海以外にいないだろう。
「あ、俺これ持って来たけど、どうだ、アルマー?」
そう言い、友近が取り出したのは焼きそば。
それも3袋入りが1セットとなってる奴が、10個ほど。
……まぁ、クラスの人数が大体30人くらいだし、そう考えればそこまでおかしくはないのか?
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