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夢幻水滸伝
第四十六話 都の星達その十三
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 すぐに口からやや長い牙を生やしているがそれ以外は至って人間と同じ外見の、長い茶色の髪に黒い切れ長の瞳のンヤダクの少女が出て来た。牙がある以外は派手めの外見で化粧も濃い感じだ。肌は白く透き通る様だ。
 その彼女が出て来てだ、綾乃達に言ってきた。
「あーしに何か用?」
「地平星、建築士の三島麻里佳ちゃんやね」
「そうだけど?」
 そのンヤダクの少女麻里佳は綾乃にけだるそうに答えた。
「ちなみにあっちの世界じゃ工業科の二年D組、彼氏いるけどキスもまだだから」
「そうなん」
「そうだよ、あと今仕事終わって暇だから」
 今度へ眠そうに言った。
「仕事の依頼なら受けるよ」
「実はその仕事やけどな」
「うん、どんな仕事なの?」
「天下の建築をやって欲しいねん」
「それどういうこと?」
「うち実はこの関西の棟梁やってるな」
「ああ、紫先輩じゃない」
 ここで麻里佳は綾乃のことに気付いたのかこう言ってきた。
「普通科の三年でこっちの世界じゃ神巫女さんの」
「知ってるん、うちのこと」
「有名だし、こっちの世界じゃ」
「そやってんな」
「けどあーし建築士だしこっちの世界じゃこれで生きてくって思ってて」 
 それでというのだ。
「別に勢力とか考えてなかったけど」
「それをな、建築士としてな」
「あーし戦えないよ」
 そこは断る麻里佳だった。
「持ってる神具は愚子見記と匠明だけど」
「どんな神具なん?」
「どっちも書物で建築のことなら何でもわかる神具よ」
 その神具のことも話した麻里佳だった。
「知力と政治力も上げてくれるし」
「その建築で堤とか橋とか道とかどんどんええの造って欲しいねん」
「それでいいの」
「そやねん、内政に頑張って欲しいねん」
「ああ、そういうことならね」
「やってくれる?」
「あーし今仕事終わったとこだしね」
 それでと言う麻里佳だった。
「いいよ、別に」
「ほな宜しゅうな」
「そういうことでね、あとあーし結構さぼるタチだから」
「そうなん?」
「まあやることはやるから。ただ仕事ないと寝るから」
 眠そうな顔での言葉だった、実際に。
「そういうことでね」
「仕事は多いから、うち」
「それじゃあやるね」
「ああ、これから宜しくね」
 こう話してだった、麻里佳も関西の軍勢に加わったがその彼女にだ。弥生は彼女の派手な外見を見てこんなことを言った。
「先輩ひょっとしてギャルですか?」
「ファッションはそっち系よ」
 麻里佳は弥生にも答えた。
「趣味はお洒落とゲーセン通いと読書ね」
「読書って何読まれます?」
「漫画とラノベね」
 この二種類だというのだ。
「読んでるよ」
「そうですか」
「あと本当にキスもまだだから」
 このことも言うのだった。

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