暁 〜小説投稿サイト〜
ドリトル先生と和歌山の海と山
第二幕その八
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「昔から入っている人もいるよ」
「高野山にだね」
「ハウスホーファーって人は知ってるかな」
 先生は王子に尋ねました、三時なのでティータイムの時間です、今回のティータイムはイギリス風のミルクティーとクッキーにエクレア、そしてケーキの三段ティーセットです。
「この人は」
「名前からしてドイツの人かな」
 王子はこのことはわかりました。
「けれどそれ以上はね」
「知らないんだね」
「どんな人かな」
「王子の言う通りドイツの人でね」
 このことは正解でした。
「軍人、地政学者そして神秘主義者だったんだ」
「色々なことをしていた人なんだね」
「ミュンヘンの大学で教授もしていたし将官でもあってね」
「偉い人だったんだ」
「ヒトラーとも会ったらしいけれど疎遠だったみたいだね」
 この独裁者との仲はよくなかったというのです。
「生粋の軍人、軍人というより学者であったみたいだから」
「ナチスと仲の悪い軍人や学者って多かったからね」
「政権を取る前の彼とも会っていたみたいだけれど」 
 それでもというのです。
「思想は合わなかったみたいだね」
「じゃあナチスとは関係なかったんだ」
「ナチスは彼の思想に影響を受けたふしがあるけれど」
「仲はよくなかったんだ」
「そうみたいだよ」
「そんな人だったんだ」
「それでこの人もね」
「高野山に行ったことがあるんだ」
「神秘主義者でもあったからね」
 だからだというのです。
「日本には地政学から凄い興味があってその文化や宗教にも造詣が深くて」
「日本が好きだったんだ」
「感情的にかなりそうだったみたいだね」
「ふうん、面白い人みたいだね」
「今お話したけれど地政学から凄く日本に関心があってね」
 自身の学問からだったというのです。
「日本にも二度位来ていたらしいよ」
「それで高野山にもだね」
「当時は今よりずっと交通の便が悪くてもね」
 高野山に入るにも苦労しただろうにというのです。
「それでもね」
「あえて高野山に入って」
「色々と学んでいたらしいよ」
「そうなんだ、不思議な人だね」
「神秘主義者でもあったからね」
「その神秘主義からの日本に興味があったんだね」
 このことを理解した王子でした。
「普通の文化や宗教だけでなく」
「そうみたいだよ、当時そこまで日本の神秘的なものに興味を持っていた人も少なかったんだ」 
 日本以外の国の人でというのです。
「その中でだから」
「そう聞くと余計にね」
「不思議な人だって思うね」
「うん、何か日本にそして高野山に何かを見ていたんだろうね」
「僕もそう思うよ、最後もね」
 ハウスホーファーという人の死についてもお話する先生でした。
「日本刀で切腹してるし」
「ドイツ人なのに?」

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ