第23話 第三次ティアマト会戦 後日談
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雄達に次ぐ新たな英雄に狂喜乱舞したのであり、大敗の責任云々は記憶の片隅に追いやられてしまっていったのである。
二日後の3月12日、迎撃艦隊はその敗残の姿をハイネセン軍事ステーションに表し停泊した。その後レクチャーが行われて、首脳陣には国防委員会の作ったシナリオが渡されたあと、迎撃の真相について箝口令がひかれてシャトルにて軍事宇宙港へ帰還が始まった。
艦隊首脳陣がハイネセンに到着すると、パエッタがティアマトの英雄としてマスコミの大攻勢にさらされその日の内に少将への昇進が発表された為、その日はお祭りムードになり、政府、国防委員会、宇宙艦隊司令部は責任追及が無くホッとしていた。
しかし翌13日に第三次ティアマト会戦の本当の全容がマスメディアにすっぱ抜かれ、お祭りムードは一気に冷えまくったのである。
無謀な迎撃案、宇宙艦隊司令長官ラムゼイ元帥と総参謀長ガムラン大将の無謀さと無知さ、各艦隊司令官の無謀さ思慮のなさ、側面攻撃を受けた際の慌て振りなどが、発表され。更にティアマトの英雄が実は国防委員長の作った虚像だったと知られたのである。
パエッタ准将は確かに二千隻程度で敵中突破はしたが、戦局には何ら寄与できなかったと無論多大な嘘が混じって居たが、そこはトリューニヒトであるから、嘘に真実を絶妙なバランスで混ぜ合わせた結果大多数の市民に信じられたのである。無論トリューニヒトは自身が表に出ることなく憂国騎士団を動かしているだけであるが。
その為にティアマトの英雄パエッタは英雄でも何でもないと言われてしまうのである。
結局支持率の低下を懸念した政府は振り罹る火の粉を防ぐ為に国防委員長の辞任を教唆し、宇宙艦隊司令部の醜聞もほぼ真実で有る以上庇いきれなくなり、宇宙艦隊司令長官と総参謀長の引責辞任に成っていった。又パエッタ准将は非公式の査問会で少将から准将への降格が決定し、降格の新記録を達成した。
政府では国防委員長が辞任した結果、トリューニヒトは国防委員会書記に就任し又一歩権力の階段を上ったのである。政府にしても火の粉が自分たちにかからなければ一議員の役職就任などは気になら無かったのである。
宇宙艦隊はラムゼイ元帥ガムラン大将の引責辞任に伴う人事異動で、シトレ大将が宇宙艦隊司令長官に任命され総参謀長にはサダ中将が任命され、人事の一掃を行う事に成った。
ヤンもワイドボーンも宇宙艦隊作戦課に配属となり新たな作戦を立てる事に成るのである。
統合作戦本部では、この一連の事件を驚きをもって迎え入れていた。持ち上げておいて叩き落とすとは、よほどの奴がシナリオを書いたなと言う事が統一見解であった。
リーファは、この動きがトリューニヒトの手に寄ると考えて、空恐ろしさを感じていた。あの化け物はあらゆるチャンスに自己の栄達を絡めてくると。
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