猫娘とUSJ編
NO.015 爆豪の過去の汚点とトラウマ
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りが見つからずに手を焼いていたのだ。
もし、そんな奴があの猫の存在を知ったら嬉々として殺しに来るだろう。
爆豪が出久を隠れて見ている中、そいつは現れてしまった。
『坊や……その動物を私にくれないかい? 悪いようにはしないよう……?』
『な、なんですかあなたは……?』
出久は怯えながらもフォウと呼ばれている猫の事を庇うように立っていた。
『ただ私はね、殺したいだけなんだよう……その猫を!』
男はすぐに本性を現して不気味に猟奇的な笑みを浮かべた。
それを陰で見ていた爆豪は『あいつはやべぇ!! ぶっ倒す!』と出て行こうとした。
だが、足が震えてしまい声も出せずに必死に隠れている自分がいて、
『馬鹿か!? アホか!? なんですぐにあいつを倒さないんだよ!?』
いつもならすぐに個性を発動して大人でも倒そうとする爆豪なのに、今は不思議な事に体が震えて仕方がない。
この時は知らなかった事だが、この男は周りにいる人たちの恐怖心を増幅させるという個性を持っていた。
そのために爆豪もそれにはまってしまい、知らずのうちに男に恐怖を抱いてしまったのだ。
だが、そんな環境下の中でそれでも出久は猫を守ろうと必死に立ち向かっていた。
『おやぁ……? 私の個性に耐えるのですか? それでは仕方がないですねぇ……あなたも地獄行きです!』
男は鋭利な包丁を出久に向けて刺そうとした。
だがそこでフォウという猫が出久の前に飛び出した。
『フォウ!?』
『ウウウウウッ!!』
フォウという猫は男に威嚇をしていたのだ。
それに男はニヤリと笑みを浮かべながらも、
『その反抗的な声、いいですねぇ! いいでしょう。思う存分に切りつけてあげましょう!』
男は包丁を出久とフォウに向けて何度も振るった。
出久はフォウを必死に腕の中に庇って男の包丁を受け続けた。そして……。
『……私はただ猫を殺したかっただけですのに、あなたが悪いんですよ? まぁ、今回はその猫は見逃してやりましょうか。もう聞こえていないでしょうがね……』
そして男はその場を立ち去っていった。
それからしばらくして爆豪は個性の縛りから解放されたのか、やっと動いた足で出久の事を起こしに行った。
体中が傷だらけで見るに堪えないとはこの事かと言わんばかりの惨状だった。
爆豪は涙を浮かべながらも必死に大人達を呼びに行った。
己の不甲斐なさを痛感しながらも……。
その後に男は爆豪の通報が早かったのかすぐに逮捕されていた。
その後、出久は病院に運ばれて最高のとある名医の治療を受けてなんとか一命は取り留めたかのように見えた。
だが、
『……お母さん。今夜が峠だよ』
『そ、そんな……!!』
それで泣き崩れる引子。
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