44部分:第七話 学校に入ってその四
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ど」
何が何だかわからないまままた答えました。
「それが。何か?」
「これから宜しくね」
今度はこう言ってきました。
「あっ、はい」
同じ寮だからこう言われたのかと思いましたがそれは違いました。
「一年間だけれど」
「はい、宜しく御願いします」
「部屋とか。わからないわよね」
その先輩は明るくて優しい笑顔でまた私に言いました。
「案内してあげるけれど。どうかしら」
「けれどそれは」
「いいのよ」
私が断ろうとしたらこい言ってきました。
「私もこれから入るんだし。いいわね」
「いいんですか」
「助け合いよ」
またおみちの言葉が出て来ました。
「だから遠慮することはないの。いいわね」
「そうなんですか」
「礼儀は必要だけれどね。困った時はお互い様よ」
何かとても優しい感じの人です。見れば見る程奇麗ですしこんな人本当にいるんだなって思いました。おぢばの女の人って奇麗な人が多いですけれどそれでも。
「だから。来て」
「はい」
その先輩に案内されて寮の中を入って。それである部屋に辿り着きました。
「ここが貴女の部屋よ」
「確か三人部屋ですよね」
それはもうお母さんから聞いていました。天理高校の寮は一年、二年、三年で三人で住むことになっています。お母さんが教えてくれました。
「そうよ。一人が私」
「えっ!?」
今の言葉には思わず唖然としました。嘘でしょ、って感じです。
「後の一人はまた来るから」
「そうだったんですか」
「驚いた?」
先輩はまたにこりと笑って私に尋ねてきました。何か本当に奇麗な顔で。女の子の私が見ても驚く位です。色が白くて目がキラキラしてて。こんな奇麗な人いるんだなあ、って感じです。
「は、はい。とても」
私は思わず正直に答えました。
「まさかとは思いましたけれど」
「名前は長池っていうの」
「長池さんですか」
「ええ、宜しくね」
何か凄く覚え易いです。そういえば同じ苗字のプロ野球選手がいたような。
「わかりました。じゃあ長池先輩」
「先輩はいいから」
「じゃあ。長池さん」
「ええ」
そうやり取りをします。とても気さくな人でした。それだけで随分救われた感じになりました。やっぱり一緒の部屋の先輩がいい人だと全然違いますから。
「これから宜しく御願いします」
「何かあったら私に言ってね」
また気さくな感じで言ってくれました。
「わからないことも」
「はいっ」
後で二年の方も来られて三人ですぐに仲良くなれました。とりあえずこの人達と一緒だと大丈夫ね、安心して一日目が終わりました。
第七話 完
2007・11・4
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